令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 電力科目 問161 解説 問16(a) 問16(a)
問16(a)
変電所に設置された一次電圧66kV, 二次電圧22kV, 容量50MV・Aの三相変圧器に, 22kVの無負荷の線路が接続されている。その線路が, 変電所から負荷側500mの地点で三相短絡を生じた。三相変圧器の結線は, 一次側と二次側がY-Y結線となっている。ただし, 一次側からみた変圧器の1相当たりの抵抗は0.05Ω, リアクタンスは7Ω, 故障が発生した線路の1相当たりのインピーダンスは(0.20+j0.45)Ω/kmとし, 変圧器一次電圧側の線路インピーダンス及びその他の値は無視するものとする。短絡電流の値[kA]として, 最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 21.8
- 10.5
- 12.6 ✓ 正答
- 6.5
- 17.3
解説
変圧器のインピーダンスを二次側へ換算し、線路のインピーダンスと直列に接続してオームの法則を適用することで、短絡電流として選択肢の12.6kAが導かれます。
単位法とインピーダンス換算の概念
三相回路の短絡計算では、各機器のインピーダンスを直列回路とみなして合成インピーダンスを求め、オームの法則を用いて電流を算出します。このとき、異なる電圧階級のインピーダンスを計算するには、電圧を基準に換算する必要があります。
変圧器のインピーダンス換算には、電圧比の二乗を用いる「二次側換算」という考え方を用います。一次側からみたインピーダンス Z1 を二次側換算インピーダンス Z2 に変換する場合、変圧器の巻数比(電圧比)を a=V1/V2 とすると、Z2=Z1/a2 という関係式が成り立ちます。これにより、一次側と二次側の定数を取り扱う際の単位系を統一できます。
短絡電流を求める手順
以下の手順で、故障点からみた全インピーダンスを求め、電流値を算出します。
- 変圧器の一次側からみたインピーダンス ZT=0.05+j7 [Ω] を、二次側換算値 ZT′ に変換します。電圧比は 66kV/22kV=3 であるため、ZT′=ZT/32=(0.05+j7)/9≈0.00556+j0.7778 [Ω] となります。
- 故障点までの線路インピーダンス ZL を求めます。線路のインピーダンスは (0.20+j0.45) [Ω/km] であり、距離は 0.5km なので、ZL=(0.20+j0.45)×0.5=0.1+j0.225 [Ω] となります。
- 合成インピーダンス Z=ZT′+ZL を計算します。実数部と虚数部をそれぞれ足し合わせると、Z=(0.00556+0.1)+j(0.7778+0.225)=0.10556+j1.0028 [Ω] となります。
- この回路のインピーダンスの大きさ ∣Z∣ を求めます。∣Z∣=0.105562+1.00282≈0.011+1.0056≈1.0166≈1.008 [Ω] です。
- 三相短絡電流 Is は、二次側相電圧 Vp=22000/3 [V] を用いて、Is=Vp/∣Z∣=(22000/1.732)/1.008≈12700/1.008≈12600 [A] となり、12.6 [kA] を得ます。
変圧器から故障点に至るまでの個別のインピーダンスの値と、それらが加算される直列回路の形を重ねてみると、電流の通り道の制約が見えてきます。
参考リンク
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