第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問130
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令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問130 解説 問13 問13

設問図

問13 図はあるエミッタ接地トランジスタの静特性を示す。この特性より、ベース電流IB=40μA、コレクタ・エミッタ間の電圧VCE=6Vにおける電流増幅率hfe(又はβ)の値及び出力インピーダンス1/hoe(又はr0)の値[Ω]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 80, 30000
  2. 100, 10000 ✓ 正答
  3. 100, 20000
  4. 200, 10000
  5. 200, 20000

解説

ベース電流 IB=40 μAI_B=40\,\mu\text{A}、コレクタ・エミッタ間電圧 VCE=6 VV_{CE}=6\,\text{V} の点におけるコレクタ電流 ICI_C が 4 mA4\,\text{mA} であることから、電流増幅率 hfeh_{fe} は 100100 となり、その点を通る特性曲線の傾きから求めた出力インピーダンス 1/hoe1/h_{oe} は 10,000 Ω10,000\,\Omega となります。

トランジスタの静特性と増幅作用

エミッタ接地トランジスタの静特性図(出力特性曲線)は、ベース電流 IBI_B をパラメータとして、コレクタ・エミッタ間電圧 VCEV_{CE} とコレクタ電流 ICI_C の関係を示したものです。

電流増幅率 hfeh_{fe}(直流電流増幅率 β\beta とも呼ばれます)は、ベース電流のわずかな変化がどれだけのコレクタ電流の変化を生むかを示す指標であり、hfe=IC/IBh_{fe} = I_C / I_B で定義されます。これは入力信号がどれだけ増幅されて出力されるかの倍率を表しています。

一方、出力インピーダンス 1/hoe1/h_{oe}(または r0r_0)は、出力回路側から見た交流的な抵抗値です。これは出力特性曲線の傾きの逆数であり、1/hoe=ΔVCE/ΔIC1/h_{oe} = \Delta V_{CE} / \Delta I_C で求められます。この値が大きいほど、電圧変化に対して電流が変化しにくく、定電流源に近い理想的な特性であることを示します。

電流増幅率と出力インピーダンスの算出

与えられた静特性図から、以下の手順で値を特定します。

  1. 電流増幅率 hfeh_{fe} を求めるため、VCE=6 VV_{CE}=6\,\text{V} の縦線と IB=40 μAI_B=40\,\mu\text{A} の曲線が交わる点を探します。グラフから、この点の ICI_C は 4 mA4\,\text{mA}(=4×10−3 A= 4 \times 10^{-3}\,\text{A})と読み取れます。定義式 hfe=IC/IBh_{fe} = I_C / I_B に、IC=4×10−3 AI_C = 4 \times 10^{-3}\,\text{A}、 IB=40×10−6 AI_B = 40 \times 10^{-6}\,\text{A} を代入すると、hfe=(4×10−3)/(40×10−6)=100h_{fe} = (4 \times 10^{-3}) / (40 \times 10^{-6}) = 100 となります。

  2. 出力インピーダンス 1/hoe1/h_{oe} を求めるため、IB=40 μAI_B=40\,\mu\text{A} の曲線上の傾きを確認します。曲線の近傍で、電圧 VCEV_{CE} が 4 V4\,\text{V} のときに IC≈3.8 mAI_C \approx 3.8\,\text{mA}、8 V8\,\text{V} のときに IC≈4.2 mAI_C \approx 4.2\,\text{mA} となっています。この差分をとると、電圧変化幅 ΔVCE=8−4=4 V\Delta V_{CE} = 8 - 4 = 4\,\text{V} に対して、電流変化幅 ΔIC=(4.2−3.8)×10−3=0.4×10−3 A\Delta I_C = (4.2 - 3.8) \times 10^{-3} = 0.4 \times 10^{-3}\,\text{A} となります。インピーダンスの式 1/hoe=ΔVCE/ΔIC1/h_{oe} = \Delta V_{CE} / \Delta I_C にこれらを当てはめると、1/hoe=4/(0.4×10−3)=10,000 Ω1/h_{oe} = 4 / (0.4 \times 10^{-3}) = 10,000\,\Omega となります。

特性図のなだらかな曲線の傾きと、指定された動作点の座標を重ねてみると、電流の変化率と電圧との関係が見えてきます。

参考リンク

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