ベース電流 IB=40μA、コレクタ・エミッタ間電圧 VCE=6V の点におけるコレクタ電流 IC が 4mA であることから、電流増幅率 hfe は 100 となり、その点を通る特性曲線の傾きから求めた出力インピーダンス 1/hoe は 10,000Ω となります。
トランジスタの静特性と増幅作用
エミッタ接地トランジスタの静特性図(出力特性曲線)は、ベース電流 IB をパラメータとして、コレクタ・エミッタ間電圧 VCE とコレクタ電流 IC の関係を示したものです。
電流増幅率 hfe(直流電流増幅率 β とも呼ばれます)は、ベース電流のわずかな変化がどれだけのコレクタ電流の変化を生むかを示す指標であり、hfe=IC/IB で定義されます。これは入力信号がどれだけ増幅されて出力されるかの倍率を表しています。
一方、出力インピーダンス 1/hoe(または r0)は、出力回路側から見た交流的な抵抗値です。これは出力特性曲線の傾きの逆数であり、1/hoe=ΔVCE/ΔIC で求められます。この値が大きいほど、電圧変化に対して電流が変化しにくく、定電流源に近い理想的な特性であることを示します。
電流増幅率と出力インピーダンスの算出
与えられた静特性図から、以下の手順で値を特定します。
電流増幅率 hfe を求めるため、VCE=6V の縦線と IB=40μA の曲線が交わる点を探します。グラフから、この点の IC は 4mA(=4×10−3A)と読み取れます。定義式 hfe=IC/IB に、IC=4×10−3A、 IB=40×10−6A を代入すると、hfe=(4×10−3)/(40×10−6)=100 となります。
出力インピーダンス 1/hoe を求めるため、IB=40μA の曲線上の傾きを確認します。曲線の近傍で、電圧 VCE が 4V のときに IC≈3.8mA、8V のときに IC≈4.2mA となっています。この差分をとると、電圧変化幅 ΔVCE=8−4=4V に対して、電流変化幅 ΔIC=(4.2−3.8)×10−3=0.4×10−3A となります。インピーダンスの式 1/hoe=ΔVCE/ΔIC にこれらを当てはめると、1/hoe=4/(0.4×10−3)=10,000Ω となります。
特性図のなだらかな曲線の傾きと、指定された動作点の座標を重ねてみると、電流の変化率と電圧との関係が見えてきます。
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