第三種電気主任技術者試験 / 令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 / 各問題解説 / 問182
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令和7年度第三種電気主任技術者上期試験 理論科目 問182 解説 問18(b) 問18

設問図

問18(b) 図2は、エミッタホロワ回路の交流等価回路である。ただし、使用する周波数において図1の二つのコンデンサのインピーダンスが十分に小さい場合を考えている。ここで、hie=2.5kΩ, hfe=300であり、REは小問(a)で求めた値とする。入力インピーダンスvi/ii[kΩ]として、最も近いものを求めよ。ただし、viとiiはそれぞれ図2に示す入力電圧と入力電流である。

  1. 2.0 ✓ 正答
  2. 15
  3. 80
  4. 300
  5. 750

解説

入力インピーダンスは、バイアス用の抵抗分圧回路 R1,R2R_1, R_2 の並列接続と、トランジスタ内部の入力インピーダンス ZinZ_{in} が並列に接続された形となり、その合成抵抗値である約 2.0 kΩ2.0\,\text{k}\Omega が答えとなります。

エミッタホロワ回路の入力インピーダンス

トランジスタの交流等価回路において、入力インピーダンスを考える際は、信号源から見てどこに抵抗が接続されているかを整理する必要があります。今回の回路では、入力端子から見たインピーダンスは、ベースバイアス抵抗 R1R_1 と R2R_2 の並列合成回路と、トランジスタのベース・エミッタ間に現れるインピーダンスの並列接続として構成されます。

ここで重要なのが、エミッタ側に抵抗 RER_E が接続されている場合のインピーダンスの変形です。エミッタに抵抗がある場合、ベース側から見た抵抗値は、エミッタの抵抗値が電流増幅率 hfeh_{fe} によって増幅されて見える性質があります。これをブートストラップ効果の一種として捉えることができ、ベース側のインピーダンス ZinZ_{in} は以下の式で表されます。

Zin=hie+(1+hfe)REZ_{in} = h_{ie} + (1 + h_{fe}) R_E

この式は、ベース電流がエミッタ抵抗を通る際に電流増幅率の分だけ大きく流れるため、ベース側からはエミッタ抵抗が (1+hfe)(1 + h_{fe}) 倍の大きさで存在するように見えることを意味します。

入力インピーダンスの算出手順

提示された条件と回路図に基づき、合成インピーダンスを求めます。

  1. バイアス抵抗の合成値を求めます。R1=3 kΩR_1 = 3\,\text{k}\Omega、R2=6 kΩR_2 = 6\,\text{k}\Omega の並列接続であるため、その合成抵抗 RPR_P は RP=(3×6)/(3+6)=2.0 kΩR_P = (3 \times 6) / (3 + 6) = 2.0\,\text{k}\Omega となります。
  2. トランジスタ部分の入力インピーダンス ZinZ_{in} を計算します。hie=2.5 kΩh_{ie} = 2.5\,\text{k}\Omega、hfe=300h_{fe} = 300、RE=2.65 kΩR_E = 2.65\,\text{k}\Omega (小問(a)より)を用いると、Zin=2.5+(1+300)×2.65=2.5+301×2.65≈800 kΩZ_{in} = 2.5 + (1 + 300) \times 2.65 = 2.5 + 301 \times 2.65 \approx 800\,\text{k}\Omega となります。
  3. 全体の入力インピーダンス ZtotalZ_{total} は、RPR_P と ZinZ_{in} の並列接続として求めます。Ztotal=(RP×Zin)/(RP+Zin)Z_{total} = (R_P \times Z_{in}) / (R_P + Z_{in}) ですが、RP(2 kΩ)R_P (2\,\text{k}\Omega) に対して Zin(800 kΩ)Z_{in} (800\,\text{k}\Omega) が極めて大きいため、全体の合成値は小さい方の値である 2.0 kΩ2.0\,\text{k}\Omega に支配されます。

バイアス抵抗の並列値と、ベース側から見たトランジスタの巨大なインピーダンスを重ねてみると、回路全体としてどちらの抵抗値が支配的かが見えてきます。

参考リンク

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