令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問132 解説 問13(b) 問13
問13(b) 小問(a)の測定により, 劣化による内部素子の破壊(短絡)が発生していると判断し, 機器停止のうえ各相間の静電容量を2端子測定法(1端子開放で測定)で測定した。図2のとおりの内部結線における素子破壊(素子極間短絡)が発生しているとすれば, 静電容量測定結果の記述として, 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, 図中×印は, 破壊素子を表す。
- R-S相間の測定値は, 最も小さい。
- S-T相間の測定値は, 最も小さい。 ✓ 正答
- T-R相間は, 測定不能である。
- R-S相間の測定値は, S-T相間の測定値の約75%である。
- R-S相間とS-T相間の測定値は, 等しい。
解説
R相内の素子が1つ短絡(破壊)している場合、R-S相間およびT-R相間の静電容量に比べて、S-T相間の測定値が最も小さくなるため、この結果が正当となります。
コンデンサの直並列接続と静電容量
コンデンサの静電容量は、接続方法によって合成容量が変化します。コンデンサを並列に接続すると容量は足し合わされ、直列に接続すると合成容量の逆数は各容量の逆数の和となります。
特に、同一の定格を持つ素子を複数接続する場合、並列接続では素子数に比例して合成容量が増大し、直列接続では素子数で除されることで合成容量が減少します。本問のようなY結線された高圧進相コンデンサでは、各相に内部素子が直列または並列に配置されており、端子間で測定される静電容量は、その経路上の素子構成によって決定されます。
内部短絡時の静電容量の変化
図2の内部結線において、R相の素子が1つ短絡すると、短絡した箇所は電気的に接続された状態となり、その素子の静電容量は測定に関与しなくなります。
- R-S相間およびT-R相間は、本来の経路上の素子数が減少することで、全体の合成容量が増加します。
- S-T相間は、R相の短絡の影響を受けず、もともとの設計上の素子構成(各相2素子直列の計4素子直列)が維持されます。
- 測定結果を比較すると、短絡により素子数が減ったR-S間およびT-R間は合成容量が大きくなり、短絡の影響を受けなかったS-T間は相対的に合成容量が小さくなります。
したがって、短絡による影響を考慮すると、S-T相間の静電容量が測定値として最も小さな値を示すことになります。
内部結線の素子配置図と、短絡によって切り離された回路の経路を重ねてみると、各相間で見えている素子数の違いが見えてきます。