令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 法規科目 問20 解説 問2 問2
問2 次の文章は,「電気関係報告規則」に基づく,自家用電気工作物(注)を設置する者が当該自家用電気工作物の事故が発生したときに行う報告に関する記述である。a)電圧(ア)V以上の需要設備に属する主要電気工作物の破損事故が発生したときは,報告をしなければならない。b)一般送配電事業,配電事業又は特定送配電事業の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧(イ)V以上の自家用電気工作物の破損又は自家用電気工作物の誤操作若しくは自家用電気工作物を操作しないことにより一般送配電事業者,配電事業者又は特定送配電事業者に供給支障を発生させた事故のときは,報告をしなければならない。c)上記a)又はb)に係る報告は,電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長に,事故の発生を知った時から24時間以内可能な限り速やかに電話等の方法により行うとともに,事故の発生を知った日から起算して30日以内に報告書を提出して行わなければならない。ただし,b)の事故の原因が(ウ)であるものについては,報告書の提出を要しない。(注)本問においては,当該自家用電気工作物は,鉄道営業法,軌道法又は鉄道事業法が適用され又は準用される自家用電気工作物であって,発電所,蓄電所,変電所又は送電線路(電気鉄道の専用敷地内に設置されるものを除く。)に属するもの(変電所の直流き電側設備又は交流き電側設備を除く。)以外のもの,原子力発電工作物及び小規模事業用電気工作物を含まないものとする。上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1) 6000 3000 自然現象
- (2) 6000 6000 経年劣化
- (3) 10000 3000 自然現象 ✓ 正答
- (4) 10000 6000 経年劣化
- (5) 10000 6000 自然現象
解説
電気関係報告規則第3条により、電圧10,000V以上の需要設備に属する主要電気工作物の破損事故は報告対象となり、一般送配電事業等の電気工作物と電気的に接続されている電圧3,000V以上の自家用電気工作物において自然現象等以外の原因で供給支障等が発生した場合は報告書の提出が必要となるため、(ア)は10,000、(イ)は3,000、(ウ)は自然現象となります。
電気関係報告規則と事故報告の義務
電気関係報告規則は、電気工作物の設置者が事故発生時に国(産業保安監督部長)へ報告すべき内容や期限を定めた省令です。この規則は、電気工作物の安全な運用と、公共の安全や電力供給の安定性を維持することを目的としています。特に自家用電気工作物においては、規模の大きいものや、他の電気事業者の系統と密接に関係するものに対して、より厳格な報告義務を課しています。
事故報告の対象となる設備の規模や電圧階級は、リスクの大きさに応じて細かく分類されています。これにより、事故の影響範囲を迅速に把握し、再発防止策の策定や社会的インフラとしての信頼性を担保しています。
事故報告に関する判断手順
報告対象となる要件を、条文の基準に基づいて以下のステップで整理します。
需要設備における主要電気工作物の破損事故 電気関係報告規則第3条第1項第1号において、電圧10,000V以上の需要設備に属する主要電気工作物の破損は報告義務があると規定されています。したがって、(ア)には10,000が該当します。
一般送配電事業等の系統と接続されている電気工作物の事故 同規則第3条第1項第5号および別表等に基づき、一般送配電事業等の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧3,000V以上の自家用電気工作物において、破損や誤操作等により供給支障が発生した場合、報告対象となります。このため(イ)には3,000が該当します。
報告書の提出が免除される原因 電気事故のうち、不可抗力といえる自然現象(台風、雷、地震など)によって発生したものについては、個別の事故報告書(30日以内に提出するもの)の提出が免除されるという規定があります。したがって、(ウ)には自然現象が入ります。
条文における電圧の閾値や、報告書提出の免除条件となる「自然現象」の概念を重ねてみると、社会インフラを守るための報告ルールの全体像が見えてきます。