第三種電気主任技術者試験 / 令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 / 各問題解説 / 問130
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令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問130 解説 問13

設問図

図のようなブロック線図で示す制御系がある。出力信号C(jω)の入力信号R(jω)に対する比, すなわちC(jω)/R(jω)を示す式として, 正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. (T1 + jω) / (T2 + jω)
  2. (T2 + jω) / (T1 + jω)
  3. jωT1 / (1 + jωT2)
  4. (1 + jωT1) / (1 + jωT2) ✓ 正答
  5. (1 + jω(T1/T2)) / (1 + jωT2)

解説

入力信号からの分岐と負フィードバックループを経て出力加算点へ至るブロック線図の各信号関係を代入・整理すると、出力信号の入力信号に対する比 C(jω)/R(jω)C(j\omega)/R(j\omega) は (1+jωT1)/(1+jωT2)(1 + j\omega T_1) / (1 + j\omega T_2) となります。

ブロック線図の等価変換と伝達関数の関係

制御工学において、システムの入力と出力の関係を周波数領域で表した数式表現を伝達関数と呼びます。ブロック線図は、入力信号が各要素を通って出力信号へと伝達される過程を図示したものであり、信号の足し引きを行う加算点、信号が複数の経路へ分けられる分岐点、および要素の伝達特性を示すブロックで構成されます。

複数のブロックが接続されたシステム全体の伝達関数を求める際には、ブロック線図の等価変換法則や信号代数方程式による関係式の整理が用いられます。出力側からの信号を入力側へ戻す構造はフィードバック結合と呼ばれ、入力側で引き算(マイナス)されている構成は負フィードバックと呼ばれます。負フィードバックが存在する場合、ループ内の信号はフィードバック要素を介して入力信号と減算されるため、単なる並列接続とは異なるループ固有の応答特性を示します。

ブロック線図内の各部における信号は、加算点を通るときに加減算され、ブロックを通るときはそのブロックの伝達特性が乗算されます。各分岐点や加算点における中間信号を文字として定義し、それらの関係式から中間信号を消去していくことで、入力信号 R(jω)R(j\omega) と出力信号 C(jω)C(j\omega) の直接的な比率である伝達関数が導出されます。

各分岐点と加算点における信号関係の整理と伝達関数の導出

  1. 入力直後の加算点から出力される中間信号を X(jω)X(j\omega) と置くと、中央の要素 1/(jωT2)1 / (j\omega T_2) を通過した直後の信号 Y(jω)Y(j\omega) は Y(jω)=X(jω)⋅(1/(jωT2))Y(j\omega) = X(j\omega) \cdot (1 / (j\omega T_2)) と表されます。この信号 Y(jω)Y(j\omega) は分岐して入力直後の加算点へマイナス符号で戻されているため、加算点での信号の引き算式は X(jω)=R(jω)−Y(jω)X(j\omega) = R(j\omega) - Y(j\omega) となります。

  2. Y(jω)=X(jω)/(jωT2)Y(j\omega) = X(j\omega) / (j\omega T_2) を加算点の式に代入すると X(jω)=R(jω)−X(jω)/(jωT2)X(j\omega) = R(j\omega) - X(j\omega) / (j\omega T_2) となります。これを X(jω)X(j\omega) について整理すると X(jω)(1+1/(jωT2))=R(jω)X(j\omega) (1 + 1 / (j\omega T_2)) = R(j\omega) となり、両辺に通分処理を行うことで X(jω)=R(jω)⋅(jωT2/(1+jωT2))X(j\omega) = R(j\omega) \cdot (j\omega T_2 / (1 + j\omega T_2)) が得られます。

  3. 中間信号 Y(jω)Y(j\omega) を入力信号 R(jω)R(j\omega) で表すため、ステップ2で得られた X(jω)X(j\omega) の式を Y(jω)=X(jω)/(jωT2)Y(j\omega) = X(j\omega) / (j\omega T_2) に代入します。分子と分母の jωT2j\omega T_2 が約分され、Y(jω)=R(jω)⋅(1/(1+jωT2))Y(j\omega) = R(j\omega) \cdot (1 / (1 + j\omega T_2)) となります。

  4. 出力側の加算点には、上の要素 T1/T2T_1 / T_2 を通過した信号 X(jω)⋅(T1/T2)X(j\omega) \cdot (T_1 / T_2) と、中央の要素を通過した信号 Y(jω)Y(j\omega) の両方がプラスの符号で入力されています。したがって、全体の出力信号は C(jω)=X(jω)⋅(T1/T2)+Y(jω)C(j\omega) = X(j\omega) \cdot (T_1 / T_2) + Y(j\omega) となります。

  5. 出力信号の式にステップ2とステップ3で求めた X(jω)X(j\omega) および Y(jω)Y(j\omega) を代入すると、C(jω)=R(jω)⋅(jωT2/(1+jωT2))⋅(T1/T2)+R(jω)⋅(1/(1+jωT2))C(j\omega) = R(j\omega) \cdot (j\omega T_2 / (1 + j\omega T_2)) \cdot (T_1 / T_2) + R(j\omega) \cdot (1 / (1 + j\omega T_2)) となります。第1項の T2T_2 を約分して共通因数 R(jω)R(j\omega) でくくると、C(jω)=R(jω)⋅((1+jωT1)/(1+jωT2))C(j\omega) = R(j\omega) \cdot ((1 + j\omega T_1) / (1 + j\omega T_2)) となり、出力と入力の比である伝達関数 C(jω)/R(jω)C(j\omega) / R(j\omega) は (1+jωT1)/(1+jωT2)(1 + j\omega T_1) / (1 + j\omega T_2) と決定されます。

加算点のプラス・マイナスの符号と、信号が分岐して合流する経路のつながりを重ねてみると、ブロック間の複雑な相互作用が見えてきます。

参考リンク

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