令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 機械科目 問151 解説 問15(a)
B問題(配点は1問題当たり(a)5点,(b)5点,計10点)問 15 周波数が 60 Hz の電源で駆動されている 4 極の三相同期電動機(星形結線)が あり,端子の相電圧 V は 400/√3 V,電機子電流 I_M は 200 A,力率 1 で運転している。 1相の同期リアクタンス x_s [Ω] は 1.00 Ωであり,電機子の巻線抵抗,及び機械損 などの損失は無視できるものとして,次の(a)及び(b)の問に答えよ。(a) 上記の同期電動機のトルクの値 [N・m] として最も近いものを,次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
- 12.3
- 368
- 735 ✓ 正答
- 1270
- 1470
解説
周波数 60 Hz、極数 4、相電圧 400/√3 V、電流 200 A、力率 1 の条件において、損失を無視した三相入力電力から得られる機械出力と、周波数と極数から定まる同期速度の関係式を適用すると、トルクは 735 N・m と算出されます。
同期速度と三相出力およびトルクの基本原理
同期電動機は、定常運転時には電源周波数と極数によって厳密に決まる一定の速度(同期速度)で回転します。同期速度 [min] は、電源周波数を [Hz]、磁極数を とするとき、次の同期速度の公式によって表されます。
また、電動機の軸から得られる機械的な出力 [W] と、回転速度 [min]、および発生するトルク [Nm] の間には、回転動力の法則に基づき次の基本関係式が成立します。
この式を変形すると、トルク は次のように表せます。
三相交流電源から電動機に供給される三相有効電力 は、相電圧 [V]、電機子電流 [A]、力率 を用いると、1相分の電力 の3倍として計算できます。
本問では電機子の巻線抵抗や機械損などの損失がすべて無視できる条件となっているため、電源から入力された三相有効電力の全量が、そのまま機械的出力 に変換されるとみなすことができます。
三相同期電動機の回転速度と出力に基づくトルクの算定
電源周波数 、極数 を同期速度の公式に代入し、電動機の回転速度 を求めます。分子の を分母の 4 で割ることで、 と特定されます。
相電圧 、電機子電流 、力率 を三相電力の式に代入し、電動機の機械出力 を計算します。 となります。
得られた出力 と同期速度 をトルクの計算式 に代入します。式は と整理され、、 を適用して計算すると約 となり、最も近い選択肢の値は 735 です。
極数と周波数から決まる回転速度と、三相交流の各相電圧・電流が掛け合わさる様子に目を向けると、電動機内部で変換されるトルクの大きさが浮かび上がってきます。