平成21年度 筆記試験 問11 解説 整流回路の出力波形
図のような整流回路において、電圧v0の波形は。 ただし、電源電圧vは実効値 100〔V〕、 周波数 50〔Hz〕の正弦波とする。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
この問題の正解はイです。正解を導くための鍵は、ダイオードによる「半波整流」という動作と、コンデンサによる「平滑化」という二つの現象を正しく組み合わせることです。
動作の判断基準
まず、回路構成に注目します。ダイオードが直列に配置されているため、電源電圧のうちプラス側の半サイクルのみが通過する「半波整流」となります。これにより、負の領域の波形はカットされ、約20ミリ秒(周波数50ヘルツの場合の1周期)ごとに山が来る波形になります。
次に、コンデンサによる平滑化を考えます。コンデンサは電源電圧のピーク時に充電され、電圧が下がると放電して電圧を維持しようとします。このとき、最大電圧は電源の最大値、すなわち実効値の 倍となります。100ボルトの 倍はおよそ141ボルトです。グラフの頂点が141ボルト付近にあるものが正しい選択肢となります。
回路で起こっている物理現象
この回路は単相半波整流回路にコンデンサによる平滑回路を加えたものです。ダイオードが導通している間、コンデンサは電源から充電されます。ダイオードがオフになると、コンデンサに蓄えられた電荷が負荷抵抗()を通して放電されるため、出力電圧は緩やかに減少する曲線を描きます。
電源電圧が再びコンデンサの電圧を上回ると、ダイオードが再び導通し、コンデンサは再度充電されます。この「充電・放電」の繰り返しが、リップル(脈流)を含む直流電圧を作り出します。
技術者としてこの問題から読み取ること
実務において、この回路は直流電源装置の最も基本的な構成要素の一つです。この波形がなぜその形になるのかを理解することは、電子機器の電源設計やトラブルシューティングの基礎となります。たとえば、放電時の傾き(減少の度合い)は、時定数である の積によって決まります。もし負荷が重く(抵抗が小さく)なれば、コンデンサの放電が早まり、リップルが大きくなるという視点を持つことで、この図が意味する「平滑化のメカニズム」をより深く理解できます。
単なる試験問題としてだけでなく、電気エネルギーがどのように時間的に制御されているかを視覚的に捉えるトレーニングとして活用してください。