平成21年度 筆記試験 問12 解説 電熱器の熱効率
消費電力1〔kW〕の電熱器を1時間使用し たとき、10リットルの水の温度が 43〔℃〕 上昇した。この電熱器の熱効率〔%〕は。
- イ. 40
- ロ. 50 ✓ 正答
- ハ. 60
- ニ. 70
解説
熱効率を求めるための計算手順
熱効率を求めるには、投入したエネルギー(電気エネルギー)に対して、有効に利用されたエネルギー(水を得た熱エネルギー)がどれくらいかを比較します。以下の手順で計算します。
水が得た熱量 を求める 水1kgの温度を1度上げるのに必要な熱量を kJ とします。
電熱器の消費エネルギー を求める 電力 を 使用したときのエネルギーは です。
熱効率 を算出する
電気エネルギーから熱エネルギーへの変換
電気の学習において、電熱器や電気ヒーターは「電気エネルギーを熱エネルギーに変換する」装置です。ここでのポイントは単位の統一です。電気のエネルギーの単位である「ワット秒()」または「ジュール()」と、熱の単位である「カロリー()」、あるいは現在のSI単位系における「ジュール()」の関係を理解しておく必要があります。
今回の問題では、 の電力を 消費した際の総エネルギーを とし、水が吸収した熱量を と導き出しました。このように、投入エネルギーと出力エネルギーの単位を揃えることで、その装置がどれだけ効率よく目的の仕事を行ったかを数値化できます。
計算の組み立てと順序
この問題を解く際の思考プロセスは「投入側」と「結果側」を明確に分けることです。
試験会場では「何が入力で何が出力か」を整理します。今回の場合は、コンセントから供給された電気が入力、水の温度上昇が結果です。計算の際、 を に、 を に変換することを忘れないことが最も重要です。もし時間単位の変換を忘れて のような計算をしてしまうと、全く異なる結果になってしまいます。単位を「」に揃えるという意識を持つだけで、ミスを防ぐことができます。
実務における熱効率の考え方
この知識は、電気設備におけるエネルギーロスを把握するために重要です。例えば、配線工事において電線が発熱するということは、その分だけ電力が熱に変わっており、本来の目的である負荷へ電力が届いていないことを意味します。
また、エコキュートや電気温水器などの給湯設備の選定においても、この計算は基本となります。「どれだけの電力を投入すれば、どれだけの温度の湯が何リットル作れるか」という計算は、機器の設計や選定において不可欠な考え方です。理論上の数値と実際の効率の差を知ることは、省エネ提案や適切な容量計算を行うための第一歩となります。