第一種電気工事士試験 / 平成21年度 筆記試験 / 問36
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平成21年度 筆記試験 問36 解説 受電設備の自主検査

受電電圧 6600〔V〕の受電設備が完成した 時の自主検査で、一般に行わないものは。

  1. イ. 高圧機器の接地抵抗測定
  2. ロ. 地絡継電器の動作試験
  3. ハ. 変圧器の温度上昇試験 ✓ 正答
  4. ニ. 高圧電路の絶縁耐力試験

解説

完成した受電設備の自主検査では「現場で施工の良否を確認すること」が求められます。一方、変圧器の温度上昇試験は、機器の定格性能を保証するための「メーカーによる設計・製造確認試験」であるため、設置完了後に現場で行う性質のものではありません。この視点で消去法を用いるのが最短の解法です。

現場で行う検査とメーカーで行う検査の違い

受電設備の完成検査とは、配線や接地が適切か、保護装置が正しく機能するかを確かめる「施工確認」です。代表的な項目には以下が含まれます。

  • 絶縁耐力試験: 電路の絶縁状態が規定を満たしているか確認する(耐圧試験)。
  • 接地抵抗測定: 接地極が十分に地面と電気的に接続されているか確認する。
  • 保護継電器試験: 地絡継電器や過電流継電器に試験電流を流し、指令通りに遮断器が動作するか確認する。

これらに対し、温度上昇試験は変圧器に定格負荷を長時間かけ続け、内部の温度が許容値を超えないかを調べる試験です。これを行うには、巨大な負荷設備と長時間の監視が必要であり、現場の竣工検査で行うには設備的・時間的に非現実的です。このような特性試験は、工場出荷時にすでに完了しており、試験成績書によって確認するのが標準的な実務フローです。

試験問題を解くための視点

この種の問題は、現場での工事の役割と、機器メーカーの責任範囲を区別できているかを問うています。

試験で問われる項目は「電気的に安全に接続されているか」「異常時に正しく保護が働くか」という施工の健全性に特化しています。逆に、「機器そのものが性能スペックを維持しているか」という問いであれば、それは完成検査の範囲外であると判断できます。もし、現場で温度上昇を確認しようとすれば、受電した状態でフル負荷運転をする必要があり、非常に危険かつ非効率であるという「実務上の不合理性」をイメージできると、自信を持って正解を選べます。

知識の実務への応用

この問題で問われている知識は、実際の電気主任技術者の現場管理において極めて重要です。竣工検査において、現場責任者は全ての試験を自力で行うわけではありません。メーカーが発行する「試験成績書」を確認することで、その機器の品質が担保されているとみなします。

一方で、絶縁耐力試験や接地抵抗測定、継電器試験は、施工後の配線接続ミスや損傷がないかを証明するために必須となります。この「何がメーカーの品質保証範囲で、何が施工者の確認範囲か」を理解しておくことは、点検計画を立てる際や、検査会社との打ち合わせを行う際に不可欠なスキルとなります。また、万が一の事故が発生した際、どの段階で品質が損なわれていたかを切り分ける法的・実務的な根拠としても役立ちます。

参考リンク

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