第一種電気工事士試験 / 平成21年度 筆記試験 / 問37
certification-simodake-work

平成21年度 筆記試験 問37 解説 誘導形過電流継電器

高圧受電設備に使用されている誘導形過電 流継電器(OCR)の試験項目として、誤って いるものは。

  1. イ. 遮断器を含めた動作時間を測定する連動試験
  2. ロ. 整定した瞬時要素どおりに OCR が動作することを確認する 瞬時要素動作電流特性試験
  3. ハ. 過電流が流れた場合に OCR が動作するまでの時間を測定する 動作時間特性試験
  4. ニ. OCR の円盤が回転し始める始動電圧を測定する最小動作電圧試験 ✓ 正答

解説

誘導形過電流継電器(OCR)の試験項目に関する知識を問う問題です。この問題は、過電流継電器が何を検知して動作する機器であるかを理解していれば、名称の矛盾から即座に誤りを見抜くことができます。

動作原理と試験項目の名称

誘導形過電流継電器は、その名の通り過大な「電流」が流れた際に、その磁力によって円盤を回転させ、接点を閉じることで遮断器を動作させる装置です。つまり、この機器の性能を評価するための試験項目には「電流」という言葉が使われるのが一般的です。

選択肢ニにある「最小動作電圧試験」という言葉は、過電流継電器の原理である「電磁誘導による回転トルク(電流の二乗に比例)」とは無関係です。電圧を測定する試験は、過電圧継電器(OVR)などの別種の継電器で行われるものであり、過電流継電器の試験としては明らかに不適切です。

誘導形過電流継電器の主な試験項目

試験の名称には「何をトリガーにして動作するか」が正確に反映されています。正しい試験項目を整理すると以下のようになります。

  1. 最小動作電流試験 整定値(動作させたい電流値)に対して、正しく円盤が回転し始めるかを調べる試験です。
  2. 動作時間特性試験 整定された電流値の数倍(例:200%、300%など)の電流を流し、定められた時間内に動作するかを確認する試験です。保護協調において非常に重要な項目です。
  3. 瞬時要素動作電流特性試験 短絡事故などの大きな電流が流れた際に、時間遅れなしで瞬時に遮断するための「瞬時要素」が正常に働くかを確認する試験です。
  4. 連動試験 継電器単体ではなく、遮断器や電源、変流器を含めた回路全体で、実際に遮断器が開放するかを確認する最終チェックです。

試験項目の意図と現場での活用

この問題が問うているのは、単なる暗記ではなく「継電器が電気回路の中でどのような役割を担っているか」という理解です。現場において、過電流継電器は電力系統の心臓部を守る重要な安全装置です。

もし試験項目を誤解したまま作業を行うと、事故時に保護装置が動作しなかったり、逆に軽微な過負荷で遮断器が落ちてしまったりする恐れがあります。試験名称に含まれる「電流」「時間」「瞬時」といったキーワードは、すべて「事故電流から機器をいかに素早く、かつ正確に保護するか」という目的に直結しています。実務ではこれらの試験値を試験成績書に記録し、保安規定に基づいた定期点検の証拠として保存することが求められます。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう