平成21年度 筆記試験 問44 解説 表示灯の点灯条件
④の表示灯が点灯するのは。
- イ. 電動機が始動中のみに点灯する。
- ロ. 電動機が停止中に点灯する。
- ハ. 電動機が運転中に点灯する。
- ニ. 電動機が過負荷で停止中に点灯する。 ✓ 正答
解説
表示灯④が点灯する条件を判別するには、回路図上で表示灯④へと至る電流経路にある接点が、どのような動作状態のときに閉じるのかを確認します。この回路では、表示灯④はサーマルリレー(THR)のa接点(常時開接点)を介して接続されているため、サーマルリレーが動作して接点が閉じたときのみ点灯する、と判断します。
サーマルリレーとa接点の役割
サーマルリレー(THR)は、電動機の過負荷保護装置です。電動機に過電流が流れると、内部のヒーターが熱を帯びてバイメタルが変形し、回路を遮断します。
このとき、サーマルリレーには以下の2種類の接点が連動して動きます。
- b接点(常時閉):過負荷時に開放し、電磁接触器(MC)のコイル回路を遮断して電動機を停止させます。
- a接点(常時開):過負荷時に閉じ、アラームランプ(表示灯)を点灯させて異常を知らせます。
本問の回路図を見ると、表示灯④はTHRのa接点を介して電源に接続されています。したがって、通常運転中や停止中は接点が開いているため表示灯は消灯しており、過負荷という異常事態が発生して接点が閉じた瞬間に、表示灯④が点灯する構造になっています。
回路図の読み解き方
試験においてシーケンス図を読む際は、まず制御対象(今回でいえば表示灯④)を見つけ、そこから電源側へと線を辿ることが重要です。
- 表示灯④の片側は共通の戻り線につながっています。
- もう片側を辿ると、サーマルリレー(THR)の記号を通ります。
- この接点は、図中の左側にある主回路のTHRと連動しています。主回路のTHRが動作(過負荷)すると、この接点が切り替わるというルールを適用します。
- この記号が「a接点(離れている状態)」であることを認識すれば、平常時は回路が構成されず、異常時のみ電気が流れることが即座にわかります。
実務における異常表示の重要性
この知識は、現場で電動機を使用する際の「状態監視」に直結します。大型の電動機や自動運転を行う設備において、作業者がその場にいなくても、表示灯が点灯していることで「今は電源が入っていない(停止中)」のか「過負荷で止まっている(異常)」のかを瞬時に判断できるようにするための仕組みです。
試験問題としてはシーケンスの読解力を問うものですが、実務ではこのランプが何を意味する回路なのか(ランプテストや異常報知)を理解しておくことが、安全な保守点検には不可欠です。設計意図を読み取ることが、複雑な制御回路を攻略する近道となります。