平成21年度 筆記試験 問46 解説 ZCTの機能
①で示す機器に関する記述として、 正しいものは。
- イ. 異常電圧を検出する。
- ロ. 負荷電流を検出する。
- ハ. 零相電流を検出する。 ✓ 正答
- ニ. 短絡電流を検出する。
解説
図中の機器が「零相変流器(ZCT)」であることを認識し、その役割が「地絡事故の検知」にあると結びつけることで解くことができます。
零相変流器(ZCT)の役割
零相変流器(Zero-phase Current Transformer:ZCT)は、電路の地絡を検出するための変流器です。通常の正常な回路では、行きと帰りの電流の合計(ベクトル和)はゼロになります。しかし、回路のどこかで地絡事故が発生すると、漏電した電流が大地へ逃げるため、行きと帰りの電流のバランスが崩れます。この「バランスが崩れた分」、つまり零相電流を検出するのがZCTの役割です。
機器の判別と機能の結びつけ
問題文の図において、電路の全相(単相2線式なら2本、三相3線式なら3本)を一括して貫通させているドーナツ型の機器があれば、それはほぼ間違いなくZCTです。
解く際は以下の論理構成を辿ります。
- 回路図上の記号や形状から、その機器が「零相変流器(ZCT)」であることを特定する。
- ZCTの名称の由来である「零相(ゼロフェーズ)」という言葉から、「電流の総和がゼロにならない状態=漏電(地絡)」を連想する。
- 選択肢の中で「地絡」に関連するキーワードを探す。
選択肢にある「負荷電流(イ・ロ)」や「短絡電流(ニ)」は、通常の過電流保護機器(配線用遮断器など)が扱う対象です。一方、「零相電流」という言葉は、地絡保護のための漏電遮断器や継電器とセットで覚えるべき専門用語です。
実務における重要性
この知識は、住宅の分電盤にある「漏電遮断器」の仕組みを理解する上で不可欠です。漏電遮断器は、このZCTで地絡電流を検出し、一定値を超えた場合に回路を遮断します。
試験では単なる用語の暗記を問うだけでなく、実際に配電図を見て「どこにどのような保護機器が設置されているか」という実務的な判断力を養う意図があります。例えば、動力回路で地絡継電器を設置する場合、ZCTをどの位置に貫通させればよいか、また、その検出感度はどれくらいが適切かといった設計・施工上の判断につながる非常に重要な基礎知識です。