第一種電気工事士試験 / 平成22年度 筆記試験 / 問36
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平成22年度 筆記試験 問36 解説 過電流継電器の試験

過電流継電器の最小動作電流の測定と限時特性試験を行う場合、必要でないものは。

  1. イ. 電力計 ✓ 正答
  2. ロ. 電流計
  3. ハ. サイクルカウンタ
  4. ニ. 電圧調整器

解説

過電流継電器の試験における「最小動作電流」と「限時特性」の定義を理解し、その試験回路で何を測定・調整する必要があるかを考えることで正解に導けます。今回の問題は、電力(電圧と電流の積)を測定する必要がないことを判断する問題です。

試験回路の構成要素と役割

過電流継電器の試験は、継電器に規定の電流を流し、それが正しく動作するかを確認するものです。試験回路には以下の要素が含まれます。

  • 電流計:継電器に流れる電流値が、設定値(整定値)に対して正しいかを監視するために必要です。
  • サイクルカウンタ:継電器が動作するまでの時間を測定するために必要です。過電流継電器は、電流の大きさに応じて動作時間が変わる「限時特性」を持つため、時間の計測は不可欠です。
  • 電圧調整器:スライダックなどを用いて、継電器へ流し込む電流の大きさを調整するために使用します。過電流継電器の試験は、電流値を徐々に上げて最小動作電流を探ったり、定格の数倍の電流を流して動作時間を測ったりするため、電源側の電圧(電流)を可変にする必要があります。

電力計は、皮相電力や有効電力を測定する機器です。しかし、過電流継電器の試験においては「何アンペアで動作するか」「どれくらいの時間で動作するか」がすべてであり、継電器の消費電力そのものを知る必要はありません。したがって、電力計は試験回路には含まれません。

思考のプロセス

この問題を解く際は、まず「過電流継電器は何を検知して何をする装置か」を想起します。過電流継電器は、文字通り「過大な電流」を検知して遮断器を動作させる装置です。つまり、入力は電流であり、出力はトリップ信号(動作時間)です。

試験においても、入力(電流)と出力(時間)が主要な測定対象となります。もし問題文が「電力計が必要な試験は何か」と問うていれば、変圧器の損失試験や電動機の特性試験などが候補となりますが、本問は「過電流継電器」に限定されています。この制約条件から、電力に関連する指標は測定対象外であると判断するのが最もスムーズな思考の道筋です。

実務現場における試験装置の考え方

第一種電気工事士の現場試験において、特定の機器には特定の測定器が必要であるという知識は、適切な治具を選定し、試験効率を上げるために重要です。

実際の現場では、継電器試験装置(リレーテスタ)という、電圧調整器、電流計、サイクルカウンタなどの機能が一体化された専用機を用いるのが一般的です。専用機を使わず個別機器を組み合わせて試験を行う場合、回路が複雑になるほど配線ミスや測定漏れのリスクが高まります。「何が必要で何が不要か」を理解しておくことは、試験の目的を見失わず、必要な機器だけを正確に準備する実務能力に直結します。

参考リンク

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