第一種電気工事士試験 / 平成23年度 筆記試験 / 問4
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平成23年度 筆記試験 問4 解説 直列交流回路の消費電力

設問図

図のような回路において、電源電圧は100〔V〕、 誘導性リアクタンスX_L=8〔Ω〕、抵抗R=4〔Ω〕、 容量性リアクタンスX_C=5〔Ω〕である。 回路の消費電力〔kW〕は。

  1. イ. 1.0
  2. ロ. 1.2
  3. ハ. 1.6 ✓ 正答
  4. ニ. 2.0

解説

この問題は、RLC直列回路のインピーダンスを求め、オームの法則で電流を出し、消費電力を計算することで解けます。手順は以下の通りです。

  1. 合成リアクタンス X=XLXCX = X_L - X_C を求める。
  2. 回路全体のインピーダンス Z=R2+X2Z = \sqrt{R^2 + X^2} を求める。
  3. 回路に流れる電流 I=V/ZI = V / Z を計算する。
  4. 消費電力 P=I2×RP = I^2 \times R [W] を求め、最後に1000で割って [kW] に変換する。

RLC直列回路におけるインピーダンスの計算

RLC直列回路では、抵抗 RR、誘導性リアクタンス XLX_L、容量性リアクタンス XCX_C が直列に繋がっています。ここで重要なのは、リアクタンスは直列であっても単純な足し算にはならないという点です。XLX_L(コイル成分)と XCX_C(コンデンサ成分)は位相が互いに逆(90度進みと遅れ)であるため、まずは合成リアクタンスを X=XLXC=85=3X = X_L - X_C = 8 - 5 = 3 [Ω] として求めます。

この合成リアクタンスと抵抗 RR を直角三角形の二辺と考え、三平方の定理を用いて全体を総合した抵抗分である「インピーダンス ZZ」を求めます。 Z=42+32=16+9=25=5Z = \sqrt{4^2 + 3^2} = \sqrt{16 + 9} = \sqrt{25} = 5 [Ω]

電流から消費電力を導き出す論理

回路全体のインピーダンスが分かれば、オームの法則 I=V/ZI = V / Z により、電源電圧100 [V] を5 [Ω] で割ることで、回路全体に流れる電流 I=20I = 20 [A] が算出されます。

次に消費電力を考えます。交流回路において電力を消費するのは「抵抗 RR」のみです。コイルやコンデンサは電力を消費せず、一時的にエネルギーを蓄えるだけで最終的に放出するため、純粋な消費電力(有効電力)は抵抗部分で発生するジュール熱として計算できます。 P=I2×R=202×4=400×4=1600P = I^2 \times R = 20^2 \times 4 = 400 \times 4 = 1600 [W] 問題文で求められている単位は [kW] ですので、1.6 [kW] となります。

実務におけるインピーダンスの捉え方

この問題で扱っている計算は、電気設備における電圧降下や機器の定格を決定する際の基礎となります。実際の現場では、モーター(誘導性負荷)の力率を改善するためにコンデンサ(容量性負荷)を取り付ける作業が行われますが、これは今回の計算のように XLXCX_L - X_C を行うことで、回路全体のインピーダンスを変化させ、電流や力率を制御しているのです。

試験の教育的意図としては、単に公式を暗記しているかではなく、交流特有の「逆位相の性質」と「有効電力は抵抗でしか消費されない」という物理的な本質を理解しているか、という点が問われています。この感覚を身につけると、単なる計算問題だけでなく、配線設計や負荷変動時の挙動予測がスムーズにイメージできるようになります。

参考リンク

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