第一種電気工事士試験 / 平成23年度 筆記試験 / 問34
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平成23年度 筆記試験 問34 解説 受電設備の定期点検

別表1

⑤に示す受電設備の維持管理に必要な定期点検で通常行わないものは。

  1. イ. 接地抵抗の測定
  2. ロ. 絶縁抵抗の測定
  3. ハ. 保護継電器試験
  4. ニ. 絶縁耐力試験 ✓ 正答

解説

この問題は、受電設備の点検における「定期点検」と「竣工・修理時試験」の違いを理解しているかを問うものです。正解を導く鍵は、試験の種類によって「設備に与える影響度」が異なることを把握することです。

定期点検と特別試験の区分

受電設備の点検は、大きく分けて「日常的・定期的に行う点検(日常点検・定期点検)」と、「設置時や改修時に行う試験(竣工試験・耐圧試験)」の2つに分類されます。

定期点検(ロ点検など)は、設備を停電させた状態、あるいは活線状態で行うことが一般的ですが、設備を保護しつつ劣化の兆候を見つけることが目的です。対して、絶縁耐力試験は、規定の試験電圧を印加して絶縁能力を強制的に確認するものです。

なぜ絶縁耐力試験は通常行わないのか

絶縁耐力試験は、商用周波数の高い電圧(例:最大使用電圧の1.5倍など)を被試験物に印加します。もし被試験物が微細な劣化を起こしている場合、この強大な電圧をかけることで、かえって絶縁破壊を誘発してしまうリスクがあります。

そのため、この試験は「新設時」に健全性を証明するため、あるいは「重大な修理後」に性能が回復したことを確認するために行われます。経年変化を確認するための定期的な点検としては、機器に過度な負担をかけない「絶縁抵抗測定(メガ試験)」で代替するのが安全かつ一般的です。

思考のステップ

この問題を解く際は、選択肢を以下の基準で分類します。

  1. 日常・定期的に測定可能か?

    • 接地抵抗測定:接地極の腐食や断線がないか確認する、定期点検の必須項目です。
    • 絶縁抵抗測定:メガーを用いて絶縁劣化の状況を定期的に把握します。
    • 保護継電器試験:継電器が正しく動作するか、専用の試験装置を用いて定期的に特性を確認します。
  2. 設備に過度な負荷をかけるか?

    • 絶縁耐力試験:高電圧を印加するため、劣化の可能性がある機器に対して実施するのはリスクが高く、定期点検には不向きであると判断します。

このように「日常的な劣化監視」なのか「性能の完全性を証明する破壊試験に近いもの」なのかを区別することで、消去法で正解を導くことができます。

実務現場における意味合い

電気保安の実務において、絶縁耐力試験を実施することは「高圧受電設備規程」等で定められた特別なイベントです。現場の主任技術者にとっても、絶縁耐力試験を行う際は細心の注意を払い、停電範囲の絶縁距離確保や、試験による二次災害防止を徹底します。

この問題の教育的意図は、単なる知識の暗記ではなく、試験の目的とリスク(設備への負荷)を理解し、現場での安全な運用判断ができる技術者を育成することにあります。定期点検の目的は「今の設備を長く安全に使い続けること」であり、絶縁耐力試験の目的は「設備の信頼性を最大限に保証すること」であるという目的の違いを理解しておきましょう。

参考リンク

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