第一種電気工事士試験 / 平成23年度 筆記試験 / 問35
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平成23年度 筆記試験 問35 解説 ケーブルの絶縁耐力試験

別表1

最大使用電圧 6900〔V〕の交流電路に使用するケーブルの絶縁耐力試験を直流電圧で行う場合の試験電圧〔V〕の計算式は。

  1. イ. 6900×1.5
  2. ロ. 6900×2
  3. ハ. 6900×1.5×2 ✓ 正答
  4. ニ. 6900×2×2

解説

試験電圧を求める際は、「基本となる交流試験電圧」を算出した上で、直流で実施する場合の「補正」を行うという二段構えで考えます。今回の問題では最大使用電圧が6900 Vであるため、基本式は 6900×1.56900 \times 1.5 となり、これを直流で行うための倍率である 22 を掛け合わせることで 6900×1.5×26900 \times 1.5 \times 2 が導かれます。

絶縁耐力試験の基本原則

電気設備の技術基準を定める省令において、電路の絶縁性能を確認するための試験電圧は、原則として交流で行うことが規定されています。このとき、最大使用電圧の1.5倍の電圧を10分間加えたときに耐えなければならないとされています。これが「基本となる絶縁耐力」です。

しかし、ケーブルなどの静電容量が大きい設備に対して交流電圧を印加すると、大きな充電電流が流れてしまい、試験用の電源容量が巨大化してしまいます。これを避けるために、現場では直流電圧を用いた試験が一般的です。直流電圧を用いると充電電流がほとんど流れないため、小型の試験機で実施できるというメリットがあります。

直流試験における2倍の考え方

なぜ直流の場合は「2倍」にするのかという疑問が湧くかと思います。これは、交流の最大値(ピーク値)と直流の平均的なストレスを合わせるための物理的な調整です。

交流 V[V]V [\text{V}](実効値)の電圧を印加した場合、その波形の頂点は 2×V\sqrt{2} \times V に達します。一方、直流電圧は常に一定の電圧がかかり続けるため、交流のピーク値と同等の絶縁ストレスを与えるには、単に実効値を合わせるだけでは不十分です。実務上の規定として、交流で試験を行う場合の試験電圧(最大使用電圧の1.5倍)に対し、さらに直流特有の係数として2を乗じることで、交流での絶縁破壊強さと同等の試験効果が得られるよう定められています。

なぜこの知識が重要なのか

この知識は、単なる暗記項目ではなく、電気保安の現場で「試験器の選定」を行う際に必須となるものです。

試験電圧がどれくらいの大きさになるかを知らなければ、その電圧を発生できる適切な試験器を準備できません。また、試験電圧の算出を誤ると、絶縁破壊に至らないような不完全な試験を行ってしまったり、逆に過大な電圧をかけて健全なケーブルを破損させてしまったりするリスクがあります。第一種電気工事士は、高圧設備を管理・保守する立場にあるため、試験電圧の計算ロジックを理解しておくことは、現場での安全管理能力に直結する重要な素養となります。

参考リンク

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