第一種電気工事士試験 / 平成24年度 筆記試験 / 問13
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平成24年度 筆記試験 問13 解説 誘導電動機の周波数計算

6極の三相かご形誘導電動機があり、その一次周波数がインバータで調整できるようになっている。 この電動機が滑り5[%]、回転速度570[min-1]で運転されている場合の一次周波数[Hz]は。

  1. イ. 30 ✓ 正答
  2. ロ. 40
  3. ハ. 50
  4. ニ. 60

解説

まずは、同期速度と回転速度の関係式を整理し、未知数である周波数を導き出すのが最短ルートです。

計算手順は以下の通りです。

  1. 同期速度の式 Ns=120fPN_s = \frac{120f}{P} を用いる
  2. 回転速度の式 N=Ns(1s)N = N_s(1 - s) に代入する
  3. 与えられた数値 P=6,s=0.05,N=570P=6, s=0.05, N=570 を当てはめ、周波数 ff について解く

570=(120f6)×(10.05)570 = \left( \frac{120f}{6} \right) \times (1 - 0.05) 570=20f×0.95570 = 20f \times 0.95 570=19f570 = 19f f=57019=30f = \frac{570}{19} = 30

したがって、一次周波数は 30 Hz となります。

回転原理と滑りの考え方

三相誘導電動機の回転磁界の速度である同期速度は、極数と周波数によって決まります。一方で、実際の回転速度は、磁界の回転に完全には追従できず、わずかな遅れが生じます。この差を百分率で表したものが「滑り」です。

回転速度が同期速度より低いのは、回転子が磁束を切り続けてトルクを発生させる必要があるためです。もし滑りがゼロであれば、回転子に電流が誘導されず、トルクも発生しないという物理的制約があります。この問題は、インバータを用いて電源周波数を変更することで、同期速度そのものを変え、回転速度を制御するという実用的な仕組みを数式で問うています。

なぜインバータ制御が重要なのか

この問題を解く際、単なる計算練習と捉えがちですが、本質的な意図は「周波数を変えれば回転数を制御できる」という誘導電動機の制御特性を理解することにあります。

かつての電動機制御では、極数を切り替えたり、抵抗制御を行ったりすることが主流でしたが、これらはエネルギー効率が悪い、または細かな速度設定ができないという欠点がありました。現代のインバータは、半導体技術を用いて任意の周波数を作り出すことで、同期速度を自在に操ります。この試験問題は、その原理的な裏付けを確認するものです。

実務での適用

現場において、インバータのパラメータ設定を行う際、周波数と回転数の関係を正しく把握していないと、負荷に対して過大な回転を与えてしまい、機械を破損させたり、あるいは十分なトルクが得られず運転が停止したりする事故につながります。

特に、ポンプやファンなどの流体負荷では、回転速度のわずかな変化が消費電力に大きく影響します。試験では数値計算を解くことがゴールですが、実務では「この周波数ならこの回転速度で動く」という感覚を数式を通じて体得しておくことが、トラブルシューティングの際のリテラシーとして不可欠になります。

参考リンク

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