平成24年度 筆記試験 問26 解説 配線器具の特性
配線器具に関する記述として、誤っているものは。
- イ. 抜止形コンセントは、プラグを回転させることによって容易に抜けない構造としたもので、専用のプラグを使用する。 ✓ 正答
- ロ. 遅延スイッチは、操作部を「切り操作」した後、遅れて動作するスイッチで、トイレの換気扇などに使用される。
- ハ. 熱線式自動スイッチは、人体の体温等を検知し自動的に開閉するスイッチで、玄関灯などに使用される。
- ニ. 引掛形コンセントは、刃受が円弧状で、専用のプラグを回転させることによって抜けない構造としたものである。
解説
この問題は、コンセントの種類とその構造的な特徴を正しく理解しているかを問う内容です。選択肢イが誤りである根拠は、抜止形コンセントの仕組みにあります。
コンセントの構造と作動原理
抜止形コンセントは、プラグを差し込んでから右方向(時計回り)にひねることで、プラグの刃(ブレード)がコンセント内部の受け刃にロックされる仕組みです。これにより、意図せずプラグが抜けてしまうことを防ぎます。
問題文にある「プラグを回転させて抜く」という記述は、この構造を逆に捉えています。実際には、ロックを解除するためにプラグを再度回転させてから引き抜く必要はありますが、構造の本質は「差し込み、回転させて固定する」ことにあり、単に抜くために回転させるという表現は、このコンセントの目的とは異なります。試験対策としては、「挿入→回転→ロック」という動作を記憶しておけば十分です。
試験における選択肢の判別
この種の問題を解く際は、記述が「その器具の主たる目的」に合致しているかを確認します。
- 選択肢イの誤りを見つける:抜止形コンセントの定義を「振動などで抜け落ちないようにする機構」と結びつけます。もし回転させるだけで抜けるのであれば、ロック機構としての意味をなさないことに気づけば、誤りであることが即座に判別できます。
- 他の選択肢の正当性を確認する:試験では、残りの選択肢が正しい知識の確認となります。「接地極付コンセントは漏電時の感電防止に寄与する」「引掛形は回転させて接続を維持する」といった基本的な定義が正確であるかを順にチェックします。
実務現場における配線器具の重要性
この問題は、単なる知識の暗記ではなく、現場での安全管理と機器保護の観点を問うています。
抜止形コンセントは、振動の多い場所や、頻繁に機器を動かす環境で、プラグが勝手に脱落することで生じる停電や、不完全接続による発熱事故を防止するために選定されます。一方、引掛形コンセントは、接続したプラグに引っ張る力がかかっても外れにくい構造です。これらは、使用する機器の消費電力や使用環境(住宅か工場か、固定か可動か)に応じて使い分けられます。
電気工事士は、設計図書や仕様書に基づき、これら器具の特性を理解した上で選定・施工しなければなりません。設置環境に不適切な器具を選択すると、後のメンテナンスや安全性に直結するため、試験を通じて各器具の名称と動作原理を正確にリンクさせることは、資格取得後も非常に重要なスキルとなります。
参考リンク
- 【第一種電気工事士】配線器具の種類と特徴まとめ
- DIYでコンセント交換!抜止形コンセントの仕組みと注意点
- [JIS C 8303:配線用差込接続器(日本産業標準調査会)](https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberSearchList.html? target=JIS&jisid=C8303)