平成25年度 筆記試験 問9 解説 直列リアクトル回路
図のような直列リアクトルを設けた高圧進 相コンデンサがある。電源電圧がV[V]、誘 導性リアクタンスが9[Ω]、容量性リアクタ ンスが150[Ω]であるとき、回路に流れる 電流I[A]を示す式は。
- V/141√3 ✓ 正答
- V/159√3
- √3V/141
- √3V/159
解説
この問題は、三相回路における合成リアクタンスを求め、オームの法則を適用することで解決します。手順は以下の3ステップです。
- 直列に接続された誘導性リアクタンス と容量性リアクタンス から、回路全体の合成リアクタンス を計算します。
- インピーダンスの大きさは となります。
- 三相3線式回路の相電圧は線間電圧 を で割った値()であるため、オームの法則 より、 となります。
直列リアクトルと合成リアクタンスの考え方
高圧進相コンデンサ()に直列リアクトル()を接続する目的は、主に電源側の高調波による過電流防止や、開閉時の突入電流抑制です。回路としては と が直列に繋がっている状態です。
誘導性リアクタンス と容量性リアクタンス は位相が180度異なるため、直列回路では引き算で合成します。計算結果がマイナスになるのは、全体としてコンデンサとしての性質(容量性)が支配的であることを意味しますが、電流値を求める際にはその大きさ(絶対値)を用います。
三相回路における電圧と電流の導出プロセス
本問では、線間電圧 が与えられています。Y結線であれデルタ結線であれ、各相の負荷に加わる電圧は線間電圧 を で割った値となります。
回路図を見ると、電源から供給される電流 は、各相のリアクトルとコンデンサを通る電流と等しくなります。したがって、各相のインピーダンス に対して という式が成立します。ここで、 はリアクタンスのみで構成されているため、 を代入します。
実務における直列リアクトルの役割
この計算は、実際に電気設備を設計する際の「高圧進相コンデンサ設備」の選定で極めて重要です。
直列リアクトルは、コンデンサ容量の6%(または13%)程度の容量を持つものが選定されます。理論上、リアクタンスを (または )に設定することで、第5次(または第3次)高調波に対して回路を直列共振させ、高調波電流を抑止する仕組みです。この問題のように計算上のリアクタンス値を直接与えられるケースだけでなく、コンデンサ容量からインピーダンスを算出する実務能力が問われることもあります。