第一種電気工事士試験 / 平成25年度 筆記試験 / 問34
certification-simodake-work

平成25年度 筆記試験 問34 解説 ケーブル離隔距離

⑤に示す建物の屋内には、高圧ケーブル配線、低圧ケーブル配線、弱電流電線の配線がある。これらの配線が接近又は交差する場合の施工方法に関する記述で、不適切なものは。

  1. イ. 複数の高圧ケーブルを離隔せず同一のケーブルラックに施設した。
  2. ロ. 高圧ケーブルと低圧ケーブルを同一のケーブルラックに15 [cm] 離隔して施設した。
  3. ハ. 高圧ケーブルと弱電流電線を10 [cm] 離隔して施設した。 ✓ 正答
  4. ニ. 低圧ケーブルと弱電流電線を接触しないように施設した。

解説

この問題は、電気設備の技術基準における「離隔距離」を記憶しているかどうかが問われます。高圧電線と弱電流電線という、性質の異なる電線が接近する場合のルールを確認しましょう。

離隔距離の基本ルール

高圧電線と弱電流電線が接近または交差する場合、技術基準では原則として15cm以上の離隔距離をとらなければなりません。

・高圧電線と弱電流電線:15cm以上 ・低圧電線と弱電流電線:接触しないこと(離隔距離の規定なし)

今回の問題では、選択肢ハにおいて「10cm」と記述されているため、基準の15cmを満たしておらず、これが不適切となります。

なぜ離隔距離が必要なのか

電線同士を近づけて施設すると、誘導障害や絶縁破壊のリスクが生じるためです。高圧電線は高い電圧がかかっており、周囲に強い電磁界を発生させています。もし弱電流電線(通信線や制御線など)が近くにあると、この電磁誘導によって通信ノイズが発生したり、最悪の場合は高圧電線から弱電流電線へ漏電し、通信機器が焼損したりする恐れがあります。

特に、高圧電線と弱電流電線の組み合わせは、電圧の差が極めて大きいため、他の組み合わせよりも厳しい基準(15cm)が設けられています。一方で、低圧電線と弱電流電線の場合は、高圧ほど強力な電磁誘導の影響がないため、接触さえしなければ良いという現実的な基準になっています。

実務における設計と施工の判断

現場でケーブルラックを設計・施工する際、この知識は「ルートの選定」において非常に重要です。設計図面にはケーブルの配置計画が示されますが、狭いパイプスペースや天井裏では、電力線と通信線を最短距離で通したくなる誘惑に駆られます。しかし、電気工事士には、いかなる場合でも法令上の離隔距離を守る義務があります。

もし現場で15cmの確保が困難な場合は、不燃性の隔離板(セパレーター)を設置したり、金属管に収めるなどの措置を講じる必要があります。単に「距離が足りないからダメだ」で終わらせず、「どうすれば基準を満たせるか」を考える力が求められています。この問題は、単なる知識の暗記だけでなく、現場における安全管理の基本姿勢を問うています。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう