平成26年度 上期 学科試験 問21 解説 高頻度開閉機器
次の機器のうち、高頻度開閉を目的に使用 されるものは。
- イ. 高圧交流負荷開閉器
- ロ. 高圧交流遮断器
- ハ. 高圧交流電磁接触器 ✓ 正答
- ニ. 高圧断路器
解説
この問題の解き方
この問題は、各電気機器の「主な役割」と「操作頻度への耐性」を整理することで確実に解けます。試験では「高頻度開閉」というキーワードが出てきた瞬間に「電磁接触器(マグネットスイッチ)」を選ぶのが定石です。他の選択肢は高頻度開閉を目的としておらず、それぞれ別の重要な役割を担っていることを理解しましょう。
高圧開閉器の役割と使い分け
電気回路における開閉機器は、目的によって適材適所があります。
高圧交流電磁接触器は、コンタクタとも呼ばれ、電磁石の力を利用して接点を開閉します。この構造は機械的な開閉動作が極めて速く、かつ寿命が長いため、モータの始動や停止のように、短時間に何度も繰り返される開閉操作に最も適しています。
対して、他の選択肢は以下の役割を持っています。
高圧交流負荷開閉器(LBS)は、負荷電流の開閉は可能ですが、短絡電流のような大きな電流を遮断する能力はありません。基本的には手動操作が主であり、高頻度な開閉には向いていません。
高圧交流遮断器(CB)は、短絡事故などの極めて大きな故障電流を安全に遮断できる強力な機器です。しかし、構造が複雑で高価であり、また動作時の機械的負担も大きいため、通常は保護目的で設置され、頻繁な開閉には使用しません。
高圧断路器(DS)は、回路の点検や切り替えのために使用されますが、そもそも「負荷電流」を遮断する能力がありません。無負荷状態の回路を開放するためだけに使用される機器です。
機器の特性から導く思考プロセス
試験対策としては、問題文のキーワードと機器を結びつけて暗記するのが効率的です。
- 「高頻度開閉」と見たら、電磁石でガチャガチャ動かせる「電磁接触器」を連想する。
- 「事故遮断」や「保護」と見たら、「遮断器」を連想する。
- 「回路の切り替え」や「点検時の切り離し」と見たら、「断路器」を連想する。
このように、それぞれの機器がどのタイミングで仕事をするのかを対比させると、選択肢の迷いがなくなります。
実務における位置付け
この知識は、受変電設備の設計や保守管理の現場で必須となる基礎教養です。例えば、ビルや工場の動力盤において、モータを頻繁にON/OFFする必要がある場合、遮断器を毎回操作することは現実的ではありません。そこで、遮断器(保護用)の二次側に、開閉専門である電磁接触器を配置するという組み合わせを現場では行います。
また、電磁接触器自体には短絡遮断能力がないことが多いため、必ず直列にヒューズや遮断器を配置し、万が一の故障時にはそれらが動作するようにシステムを構築します。この「役割分担」という考え方は、電気回路の保護協調を理解する上での第一歩となります。