第一種電気工事士試験 / 平成26年度 上期 学科試験 / 問23
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平成26年度 上期 学科試験 問23 解説 ストレスコーンの役割

設問図

写真の矢印で示す部分の主な役割は。

  1. イ. 水の浸入を防止する。
  2. ロ. 電流の不平衡を防止する。
  3. ハ. 遮へい端部の電位傾度を緩和する。 ✓ 正答
  4. ニ. 機械的強度を補強する。

解説

写真に写っている円錐状の部品はストレスコーン(電界緩和筒)です。試験でこの写真が出たら、その役割は一択、「電界の集中を緩和すること」と覚えておけば間違いありません。

電界集中が起こる理由とストレスコーンの仕組み

高圧ケーブルには、導体の外側に絶縁体があり、さらにその外側に遮へい層(金属テープや銅線)が巻かれています。通常運転中は、導体と遮へい層の間で電界が均一に分布しています。

しかし、ケーブルの端末処理をする際、遮へい層を途中で剥ぎ取る必要があります。この「遮へい層を剥ぎ取った切り口」では、導体からの電界が急激に外へ漏れ出そうとし、そこに電界が集中します。これを放置すると、絶縁破壊(放電によるケーブルの損傷)を引き起こす原因となります。

ストレスコーンは、導体電位と同電位にした金属層(または半導電層)を円錐状に配置することで、遮へい層の端部における電界の等電位線を広げ、電界の強さを平均化します。この「電位傾度をなだらかにする」という働きが、遮へいの途切れる場所での絶縁を守る要となります。

この問題を解くための思考プロセス

試験会場でこの図を見たとき、以下のステップで解答を導き出します。

  1. 形状の確認: ケーブルの先端付近にある、こん棒のような、あるいは円錐状の部品に注目します。これがストレスコーンです。
  2. 機能の想起: ケーブル端末処理において「なぜわざわざこの形をしているのか」を考えます。「高圧」を扱う場面では、常に「電界」がキーワードになります。
  3. 選択肢の選別:
    • 水の浸入防止ではない(これは自己融着テープなどの役割)。
    • 電流の不平衡は接続方式の話。
    • 機械的強度の補強は防護具やダクトの役割。
    • 電位傾度の緩和が、唯一「電気的ストレス」という高圧特有の課題と結びつきます。

高圧電気工事における重要性

この知識は、単なる暗記項目ではなく、現場の実務に直結する非常に重要な概念です。高圧ケーブルの端末処理を不適切に行うと、いわゆる「端末放電」が発生し、最悪の場合はケーブルの焼損事故につながります。

電気工事士が端末処理を行う際、ストレスコーンを正しい位置に、隙間なく密着させる必要があるのは、この電界緩和の原理を維持するためです。試験問題として「役割」を問うことは、将来的に高圧設備の点検や工事に携わる者が、絶縁不良のメカニズムを正しく理解しているかを確認するという意図があります。

参考リンク

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