平成26年度 上期 学科試験 問28 解説 高圧屋内配線
高圧屋内配線を、乾燥した場所であって 展開した場所に施設する場合の記述として、 不適切なものは。
- イ. 高圧ケーブルを金属管に収めて施設した。
- ロ. 高圧ケーブルを金属ダクトに収めて施設した。
- ハ. 接触防護措置を施した高圧絶縁電線をがいし引き工事により施設した。
- ニ. 高圧絶縁電線を金属管に収めて施設した。 ✓ 正答
解説
高圧屋内配線の工事方法を見分ける
この問題は、高圧屋内配線において「使用できる電線の種類」と「施設できる工事方法」の組み合わせが適切かどうかを判断する問題です。
結論から言えば、高圧屋内配線では原則として「高圧ケーブル」を使用しなければならず、例外的に「がいし引き工事」を行う場合のみ「高圧絶縁電線」の使用が認められます。金属管工事や金属ダクト工事を行う場合は、必ず高圧ケーブルを使用する必要があります。したがって、「高圧絶縁電線を金属管に収めた」という選択肢ニが不適切となります。
高圧屋内配線の施設ルール
高圧屋内配線は、低圧配線と比較して感電や短絡事故時のエネルギーが大きいため、より厳しい制限が課されています。
高圧屋内配線で認められている主な工事方法は以下の通りです。
- ケーブル工事(金属管や金属ダクトに収める場合を含む)
- がいし引き工事(乾燥した場所で展開した場所に限る)
ここで重要なのは「使用できる電線」の区別です。ケーブル工事(金属管、金属ダクト、ケーブルラック等)においては、機械的な保護や遮蔽の観点から「高圧ケーブル」の使用が義務付けられています。これに対し、がいし引き工事は、電線を空間に露出させて支持するため、接触防護措置を施した上で「高圧絶縁電線」を使用することが認められています。
誤りの選択肢を判断するプロセス
問題文の「乾燥した場所であって、展開した場所」という条件に注目します。この条件は、がいし引き工事が可能な場所を示しています。
・選択肢イ:金属管工事は、中身が「高圧ケーブル」であれば適法です。 ・選択肢ロ:金属ダクト工事も、中身が「高圧ケーブル」であれば適法です。 ・選択肢ハ:乾燥した展開場所であれば、接触防護措置を施した「高圧絶縁電線」を「がいし引き」で施設することは適法です。 ・選択肢ニ:金属管工事において中身を「高圧絶縁電線」としています。前述の通り、金属管に収める場合は高圧ケーブルでなければならないため、これが誤りとなります。
試験問題の構造として、高圧絶縁電線と高圧ケーブルのどちらをどの工事で使えるかという「対応表」を正確に記憶できているかが問われています。
現場での安全管理と技術基準の重要性
この知識は、実際の電気設備設計や施工管理において極めて重要です。高圧設備では、絶縁破壊や地絡事故が発生した際、電線自体が大きなストレスを受けるため、金属管の中に通すような閉鎖された空間では、高い絶縁性能と外傷に対する耐性を持つケーブルの選定が不可欠です。
誤って高圧絶縁電線を金属管内に施工してしまうと、電線が管内で接触したり、管端部で絶縁不良を起こしたりするリスクが非常に高くなります。第一種電気工事士として、設備の信頼性を担保するために、法令で定められた組み合わせを遵守することは、感電防止や火災予防の観点から欠かせない実務能力です。