第一種電気工事士試験 / 平成26年度 上期 学科試験 / 問31
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平成26年度 上期 学科試験 問31 解説 避雷器の設置

②に示す避雷器の設置に関する記述として、 不適切なものは。

  1. イ. 受電電力 500 [kW] 未満の需要場所では避雷器の設置義務はないが、雷害の多い地区であり、電路が架空電線路に接続されているので、引込口の近くに避雷器を設置した。
  2. ロ. 保安上必要なため、避雷器には電路から切り離せるように断路器を施設した。
  3. ハ. 避雷器の接地は A 種接地工事とし、サージインピーダンスをできるだけ低くするため、接地線を太く短くした。
  4. ニ. 避雷器には電路を保護するため、その電源側に限流ヒューズを施設した。 ✓ 正答

解説

避雷器の設置において最も重要なポイントは「過電圧をいかに速やかに大地へ逃がすか」という点にあります。この問題では、避雷器の接地工事の種類と、付随する保護機器の適切性について問われています。

接地工事と避雷器の役割

避雷器(LA)は、雷サージなどの異常電圧が侵入した際に、速やかにそのエネルギーを大地に放出し、後続する機器を保護するための装置です。この性質上、避雷器と大地間の抵抗値は極めて重要であり、少しでも抵抗があると、大地に逃げるはずの過電圧が滞留し、逆に保護したい機器側に高い電圧をかけてしまうリスクがあります。

原則として、避雷器の接地はA種接地工事(接地抵抗値10Ω以下)が適用されます。ただし、電技解釈では「避雷器の接地抵抗値は、できるだけ低くしなければならない」と規定されており、単にA種接地を施せばよいというだけでなく、可能な限り小さな値に抑えることが求められます。

ヒューズを設置してはならない理由

避雷器の電源側にヒューズを直列に接続することは、不適切です。避雷器の目的は「異常電圧が発生した瞬間に回路を大地と短絡させ、機器を保護すること」です。もし電源側にヒューズがあれば、避雷器が動作して大電流が流れた瞬間にヒューズが溶断してしまいます。

ヒューズが溶断すると、避雷器と大地の接続が断たれることになり、肝心な瞬間に過電圧を逃がすという役割を果たせなくなります。これは避雷器という装置の存在意義を根本から否定する行為です。

一方で、もし避雷器自体が故障して地絡状態が継続してしまうような万が一の事態に備える必要がある場合は、ヒューズではなく「断路器(ディスコンネクタ)」を使用します。断路器は、一定以上の電流が流れ続けた場合にのみ動作して避雷器を回路から切り離す機能を持っており、通常の雷サージに対しては動作しない設計となっています。

現場で求められる判断基準

実務においてこの知識は、受変電設備の保安規程や定期点検、図面の作成時に活用されます。特に高圧受電設備において、避雷器が正しく機能する環境を維持することは、停電事故や火災を防ぐための最優先事項です。

試験問題としてのこの出題には、「避雷器は安全装置であって、ヒューズのような過電流保護装置と一緒に考えてはならない」という教育的な意図が隠されています。現場では「避雷器の接地抵抗が低いこと」と「回路を遮断させない構成になっていること」の二点をチェックリストの基本として認識しておくことが求められます。

参考リンク

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