第一種電気工事士試験 / 平成26年度 上期 学科試験 / 問35
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平成26年度 上期 学科試験 問35 解説 低圧配線の漏えい電流

電気設備の技術基準の解釈において、停電が困難なため低圧屋内配線の絶縁性能を、漏えい電流を測定して判定する場合、使用電圧が100〔V〕の電路の漏えい電流の上限値として、適切なものは。

  1. イ. 0.1〔mA〕
  2. ロ. 0.2〔mA〕
  3. ハ. 1.0〔mA〕 ✓ 正答
  4. ニ. 2.0〔mA〕

解説

漏えい電流による絶縁性能の判定基準

この問題は、電気設備の技術基準の解釈における数値を問う典型的な知識問題です。答えを導くための根拠は非常にシンプルで、絶縁抵抗測定が困難な場合、漏えい電流を測定して絶縁性能を確認する際の上限値は、使用電圧にかかわらず「1.0mA」と規定されている、という事実を覚えているかどうかに尽きます。

なぜ1.0mAという数値が定められているのか

電気設備の技術基準では、原則として電路の絶縁性能を絶縁抵抗値(メガーによる測定など)で確認することが求められます。しかし、病院や工場、24時間稼働のデータセンターなど、停電させることが極めて困難な施設も多く存在します。

そこで、設備を稼働させたままの状態(活線状態)で漏えい電流を測定することで、絶縁が良好かどうかを判定する代替手法が認められています。このとき、漏えい電流が1.0mA以下であれば、絶縁性能として十分な保安性能を確保しているとみなされます。この数値は、感電事故の防止や火災防止といった保安上の観点から、あらゆる低圧電路において共通の基準として定められています。

試験での判断のポイント

この種の問題を解く際、受験生が迷いやすいのは「電圧が高いから電流値も大きくなるのではないか」という誤った推論です。

・使用電圧が100Vでも200Vでも、基準値は一律で「1.0mA」であること。 ・絶縁抵抗値(MΩ)を測定する場合と、漏えい電流(mA)を測定する場合の数値を混同しないこと。

絶縁抵抗値の場合は、使用電圧によって0.1MΩや0.2MΩと区分されますが、漏えい電流の場合は電圧による区分がない、という対比構造で記憶しておくのが試験対策として最も効率的です。

現場でこの知識が果たす役割

実務においてこの知識は、点検業務の判断基準として非常に重要です。例えば、絶縁抵抗計を使って点検を行う際、機器に接続されている電子回路が過電圧で損傷する恐れがある場合や、停止できない回路を扱う場面に出くわします。そのような状況で、「この回路は運転中だから絶縁抵抗測定はできない。代わりに漏えい電流計(クランプメーター)を使って1.0mA以下であることを確認しよう」と判断できるかどうかが、プロの電気工事士として現場を安全に維持するための分岐点となります。

試験問題の背景には、単なる数値の暗記を超えて、停電が許されない状況下でいかにして保安を確保するかという、実務的な安全管理の思想が組み込まれています。

参考リンク

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