平成26年度 上期 学科試験 問41 解説 正逆転制御回路の操作
①で示す押しボタンスイッチの操作で、停止状態から正転運転した後、逆転運転までの手順として、正しいものは。
- PB-3→PB-2→PB-1
- PB-3→PB-1→PB-2
- PB-2→PB-1→PB-3 ✓ 正答
- PB-2→PB-3→PB-1
解説
この問題は、モータを正転・逆転させる「可逆運転回路」における操作手順を問うものです。停止状態から正転へ移行し、さらに逆転へ切り替える際の正しい順序は、まず正転ボタン(PB-2)を押し、次に停止ボタン(PB-1)で一度回路を遮断し、最後に逆転ボタン(PB-3)を押す、という手順になります。
可逆運転回路のインターロック機構
この回路図において重要な概念は「インターロック」です。正転用マグネットスイッチ(MC)と逆転用マグネットスイッチ(MC)が同時に動作してしまうと、主回路で相間短絡(短絡事故)が発生してしまいます。
これを物理的に防ぐため、回路にはインターロックという安全装置が組み込まれています。正転側の回路には逆転側の補助接点を、逆転側の回路には正転側の補助接点を組み込むことで、片方が動作している間は、もう片方の操作を物理的に無効化する仕組みになっています。
操作手順の論理的根拠
停止状態から順を追ってこの回路の動作を考えます。
まず、正転させるためには正転ボタン(PB-2)を押します。これにより正転用マグネットスイッチが励磁され、自己保持回路が形成されてモータが正転を続けます。
次に、逆転へ切り替える場合が肝心です。正転運転中にいきなり逆転ボタン(PB-3)を押しても、インターロック機能が働いているため、逆転側のコイルには電流が流れません。また、無理にボタンを押しても正転が優先されたままの状態となります。そのため、一度停止ボタン(PB-1)を押して正転側の自己保持を解除し、回路を完全に停止させる必要があります。完全に停止した状態を確認してから、改めて逆転ボタン(PB-3)を押すことで、ようやく逆転運転へと移行できます。
現場での安全管理と回路設計
この問題は、第一種電気工事士が現場で扱う制御回路の「安全の基本」を問うものです。可逆運転回路のように、操作ミスが重大な短絡事故や機器の破損につながるケースでは、単純な回路図の読み解きだけでなく、なぜその手順を踏まなければならないのかという「物理的な制約」を理解しておくことが求められます。
実務においては、単にボタンを押す順番を知っているだけでなく、回路図上の補助接点がどの役割を果たし、どのタイミングで電流経路が切り替わっているのかを把握しておく必要があります。この知識は、異常発生時のトラブルシューティングや、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)を用いた制御プログラムの構築においても極めて重要な基礎となります。