第一種電気工事士試験 / 平成27年度 筆記試験 / 問3
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平成27年度 筆記試験 問3 解説 直流回路の電流

設問図

図のような直流回路において,抵抗R=3.4Ω に流れる電流が30Aであるとき,図中の電流 I1[A]は。

  1. イ. 5
  2. ロ. 10 ✓ 正答
  3. ハ. 20
  4. ニ. 30

解説

この問題は、並列回路における電圧一定の性質と、オームの法則およびキルヒホッフの電流則を活用して解きます。以下の手順で計算を行います。

  1. 抵抗 R=3.4R = 3.4 Ωに流れる電流 IR=30I_R = 30 Aから、回路の並列部分にかかる電圧 VV を求めます。V=R×IR=3.4×30=102V = R \times I_R = 3.4 \times 30 = 102 V です。
  2. 回路全体の抵抗を R0R_0 とすると、全体の電流 I=40I = 40 A、電圧 V=102V = 102 Vから R0=102/40=2.55R_0 = 102 / 40 = 2.55 Ωとなります。
  3. この回路構成から、並列部分の合成抵抗 RpR_p と直列抵抗 rr を用いて計算を進めますが、もっとも簡潔には「電流の分流比」を用います。今回の回路は、R=3.4R=3.4 ΩとI1I_1が流れる経路(抵抗をR1R_1とします)が並列になっています。問題文の構造より、全体電流からRR側を引くことでI1I_1が導かれます。全体の電圧が102Vで固定されているため、並列回路のもう一方の抵抗値が10.210.2 Ωであれば、I1=102/10.2=10I_1 = 102 / 10.2 = 10 Aとなります。

並列回路と電圧の不変性

並列接続された回路では、どの枝路(ブランチ)をとっても端子間の電圧は等しくなります。これが本問の解法の鍵です。ある抵抗に流れる電流と抵抗値が分かれば、その端子にかかっている電圧を特定できます。この電圧こそが、並列に接続された他の回路部分にも共通して印加されている「共通電圧」です。

オームの法則による電流の分解

計算のプロセスは、「全体の電流は各枝路に流れる電流の和である」というキルヒホッフの第一法則(電流則)をベースにしています。 全電流 I=IR+I1I = I_R + I_1 であるため、I1=IIRI_1 = I - I_R という関係式が成り立ちます。今回の問題では、I=40I = 40 A、IR=30I_R = 30 Aと与えられているため、単純な引き算で I1=4030=10I_1 = 40 - 30 = 10 Aと求めることができます。この回路は、複雑な合成抵抗の計算を介さずとも、電流の総量保存則だけで答えが出るように設計されています。

電気回路設計における応用

この考え方は、照明設備やコンセント回路の設計において非常に重要です。例えば、家庭内の複数の電気機器が並列に接続されている場合、どの機器にも同じ定格電圧(100V)がかかる一方で、それぞれの機器が消費する電流の合計が、配線用遮断器の容量を超えないように設計する必要があります。

試験問題としては、一見すると複雑な抵抗値が提示されているため、すべての数値を計算しなければならないと錯覚させることが意図されています。しかし、キルヒホッフの電流則という「回路全体に流れ込む電流と、流れ出る電流の合計は等しい」という本質的な原則を理解していれば、与えられた抵抗値などの情報を整理する前に、もっとも簡単な経路で正解へ辿り着くことができます。実務においても、複雑な回路図から電流の流れを直感的に把握する力は、トラブルシューティングの際に不可欠なスキルとなります。

参考リンク

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