第一種電気工事士試験 / 平成27年度 筆記試験 / 問5
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平成27年度 筆記試験 問5 解説 三相交流の消費電力

設問図

図のような三相交流回路において, 電源 電圧は200V, 抵抗は4Ω, リアクタンスは 3Ωである。回路の全消費電力[kW]は。

  1. イ. 4.0
  2. ロ. 4.8
  3. ハ. 6.4 ✓ 正答
  4. ニ. 8.0

解説

この問題は、三相交流回路における消費電力を求める典型的な問題です。計算手順は以下の通りです。

  1. 各相のインピーダンス ZZ を求める
  2. 各相にかかる電圧(相電圧)を確認し、相電流 II を計算する
  3. 三相分の消費電力 P=3×I2×RP = 3 \times I^2 \times R に当てはめる

計算の詳細は、Z=42+32=5[Ω]Z = \sqrt{4^2 + 3^2} = 5 [\Omega] です。電源電圧 200V が各相にかかるため、相電流は I=200/5=40[A]I = 200 / 5 = 40 [A] となります。よって消費電力は P=3×402×4=3×1600×4=19200[W]=19.2[kW]P = 3 \times 40^2 \times 4 = 3 \times 1600 \times 4 = 19200 [W] = 19.2 [kW] となりたいところですが、ここで回路図の接続を確認します。もし電源電圧が線間電圧であり、デルタ結線であれば上記の通りですが、第一種電気工事士試験でこの問題が出題される際は、各相の負荷に直接200Vがかかる状態(あるいはデルタ結線)を想定します。計算結果が6.4kWとなるためには、P=3×I2×RP = 3 \times I^2 \times R の式において、I=23.09...[A]I = 23.09...[A] となる必要があり、これはスター結線(相電圧 200/3200 / \sqrt{3} V)とした場合の計算結果と一致します。

三相交流回路における消費電力の定義

三相交流回路では、負荷がスター(Y)結線かデルタ(Δ)結線かで相電圧が異なります。抵抗 RR で消費される電力は「抵抗でのみ消費される」という点が重要です。リアクタンス XX はエネルギーを消費せず磁界や電界として蓄えるだけなので、電力計算には含まれません。そのため、回路全体の消費電力は、各相の抵抗で発生する電力の和となります。

回路計算の思考プロセス

まずは回路がY結線かΔ結線かを見極めます。 今回の問題で正解が6.4kWになるということは、各相にかかる電圧 VpV_p200/3[V]200 / \sqrt{3} [V] となっているはずです。

  1. インピーダンス Z=R2+X2=42+32=5[Ω]Z = \sqrt{R^2 + X^2} = \sqrt{4^2 + 3^2} = 5 [\Omega]
  2. 相電流 I=Vp/Z=(200/3)/5=40/3[A]I = V_p / Z = (200 / \sqrt{3}) / 5 = 40 / \sqrt{3} [A]
  3. 消費電力 P=3×I2×R=3×(40/3)2×4P = 3 \times I^2 \times R = 3 \times (40 / \sqrt{3})^2 \times 4
  4. 式を整理すると P=3×(1600/3)×4=1600×4=6400[W]=6.4[kW]P = 3 \times (1600 / 3) \times 4 = 1600 \times 4 = 6400 [W] = 6.4 [kW]

このように、三相回路の計算では「線間電圧」と「相電圧」の関係を混同しないことが、ミスを防ぐ最大のポイントです。

実務における知識の活用

この知識は、工場の動力盤やモータの設計において非常に重要です。モータなどの誘導性負荷を扱う際、どの程度の電流が流れ、どれだけの熱(損失)が発生するかを計算できなければ、適切な配線サイズやブレーカーの容量を選定できません。また、リアクタンス分を考慮せずに電流を計算してしまうと、実際の消費電力を見誤り、力率改善のためのコンデンサ設置といった最適化ができなくなります。電気工事士として、理論上の消費電力と実効電流の計算ができることは、安全な設備運用には不可欠な素養です。

参考リンク

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