第一種電気工事士試験 / 平成28年度 筆記試験 / 問1
certification-simodake-work

平成28年度 筆記試験 問1 解説 コンデンサの静電エネルギー

設問図

図のように, 面積 A の平板電極間に, 厚さ が d で誘電率 ε の絶縁物が入っている平行 平板コンデンサがあり, 直流電圧 V が加わっ ている。このコンデンサの静電エネルギーに 関する記述として, 正しいものは。

  1. イ. 電圧Vの2乗に比例する。 ✓ 正答
  2. ロ. 電極の面積Aに反比例する。
  3. ハ. 電極間の距離dに比例する。
  4. ニ. 誘電率εに反比例する。

解説

この問題は、コンデンサの静電エネルギーを表す公式 W=12CV2W = \frac{1}{2}CV^2 に、静電容量の式 C=ϵAdC = \frac{\epsilon A}{d} を代入して考えることで正解を導き出せます。結論から述べると、エネルギー WW は電圧 VV の二乗に比例します。

静電エネルギーと静電容量の関係

コンデンサとは、電極間に電気エネルギーを蓄える素子です。このとき蓄えられるエネルギー W[J]W [J] は、静電容量 C[F]C [F] と加えた電圧 V[V]V [V] を用いて以下の式で表されます。

W=12CV2W = \frac{1}{2}CV^2

また、問題文にあるような平板コンデンサの静電容量 CC は、極板の面積を A[m2]A [m^2]、極板間の距離を d[m]d [m]、誘電体の誘電率を ϵ[F/m]\epsilon [F/m] とすると、以下の式で決まります。

C=ϵAdC = \epsilon \frac{A}{d}

この二つの式を組み合わせることで、パラメータとエネルギーの関係をすべて書き出すことができます。

W=12(ϵAd)V2W = \frac{1}{2} \left( \epsilon \frac{A}{d} \right) V^2

選択肢を判断するプロセス

この式を確認すれば、各選択肢の正誤が明確になります。

イ. 電圧 VV の2乗に比例する:式を見ると V2V^2 が分子にあるため正しいです。 ロ. 電極の面積 AA に反比例する:式を見ると AA は分子にあるため比例の関係です。 ハ. 電極間の距離 dd に比例する:式を見ると dd は分母にあるため反比例の関係です。 ニ. 誘電率 ϵ\epsilon に反比例する:式を見ると ϵ\epsilon は分子にあるため比例の関係です。

このように、式の中での位置関係を確認するだけで、比例・反比例の判定を確実に行うことができます。

コンデンサの基本特性を理解する意義

第一種電気工事士の試験において、この問題は静電気の基礎概念を問うものです。実務の現場では、コンデンサは力率改善のための進相コンデンサや、電子機器内の平滑回路など、至る所で活用されています。

例えば、力率改善用の進相コンデンサでは、供給電圧が変動すると蓄えられるエネルギーが電圧の二乗で変化するため、電圧が上昇した際のコンデンサへの負担増を考慮する必要があります。また、静電容量が極板の形状(面積や距離)と誘電体の材質(誘電率)で決定されるという物理的な背景を知っておくことは、コンデンサが故障した際の原因究明や、用途に適した部品を選定する際の深い理解につながります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう