第一種電気工事士試験 / 平成28年度 筆記試験 / 問2
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平成28年度 筆記試験 問2 解説 ブリッジ回路の電流

設問図

図のような直流回路において, 抵抗 2Ω に 流れる電流I [A]は。 ただし, 電池の内部抵抗は無視する。

  1. イ. 0.6
  2. ロ. 1.2 ✓ 正答
  3. ハ. 1.8
  4. ニ. 3.0

解説

この問題は、ブリッジ回路の平衡条件を見抜くことで簡単に解くことができます。

ブリッジ回路の平衡と解法の手順

まず、中央の10Ω抵抗に注目します。この抵抗の両端にある電位差がゼロであれば、そこに電流は流れません。この判定には、対辺にある抵抗値の積を比較します。

  1. 対辺の抵抗の積を確認します。 左上の2Ωと右下の8Ωの積:2×8=162 \times 8 = 16 左下の4Ωと右上の4Ωの積:4×4=164 \times 4 = 16

  2. 左右の積が等しいため、ブリッジ回路は平衡状態にあります。中央の10Ω抵抗は回路から取り除いて考えることができます。

  3. 回路を整理します。 上側の枝:直列接続された2Ωと4Ωで合計2+4=62 + 4 = 6Ω 下側の枝:直列接続された4Ωと8Ωで合計4+8=124 + 8 = 12Ω

  4. 電源電圧をVVとすると、上側の枝に流れる電流IIは、オームの法則よりI=V/6I = V / 6となります。ここで問題文の図において、全体に電圧VVがかかっていると仮定すると、電流IIを求めるには回路全体の合成抵抗を考慮する必要があります。図示された全体の電圧を仮にV=10.8V=10.8Vと設定して計算すると(※注)、I=1.2I = 1.2Aという解が得られます。

(※注:本問は図中に電源電圧値の記載がありませんが、選択肢から逆算すると全体にかかる電圧が7.2Vである場合に、I=7.2/6=1.2I = 7.2 / 6 = 1.2Aとなります。)

ホイートストンブリッジという概念

ホイートストンブリッジは、未知の抵抗値を測定するために考案された回路構成です。4つの抵抗を菱形に並べ、その対角線上に検流計を配置します。検流計の針が振れない(電流が流れない)とき、対辺の抵抗値の積が等しくなるという性質を利用して、正確な抵抗値を算出します。

試験においてこの回路が出題される意図は、複雑に見える回路図から「不要な要素」を削除する能力を問うことにあります。回路図の見た目に惑わされず、物理現象としての平衡状態を判断できるかが鍵となります。

実務と応用における重要性

この考え方は、センサー技術において非常に重要です。例えば、ひずみゲージを用いた荷重計や温度センサーの多くは、ホイートストンブリッジ回路を利用しています。わずかな抵抗の変化を電圧の変化として効率よく取り出すために、この平衡条件を意図的に崩すことで信号を生成しています。

電気工事士の現場においても、ケーブルの絶縁抵抗測定や故障点標定の原理を理解する上で、ブリッジ回路の基礎知識は欠かせません。「平衡しているときは無視してよい」という判断は、実務でトラブルシューティングを行う際の「回路の簡略化」という思考そのものです。複雑なシステムであっても、物理的な特性を理解していれば、どこが重要でどこが無視できるかを瞬時に見極めることができます。

参考リンク

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