平成28年度 筆記試験 問13 解説 浮動充電方式
浮動充電方式の直流電源装置の構成図として,正しいものは。
- イ.
- ロ.
- ハ.
- ニ. ✓ 正答
解説
浮動充電方式の構成図を見分けるには、整流器、蓄電池、負荷の「3者が並列に接続されているか」を確認するのが最も早い方法です。浮動充電は、整流器が負荷に電力を供給しつつ、蓄電池を常に満充電の状態に維持する方式であるため、これらが並列に配置された構成となります。
浮動充電方式の仕組みと回路構成
浮動充電方式とは、蓄電池の自己放電を補う程度の微小な電流を常に流し続けることで、蓄電池を常に満充電に近い状態に保つ方式です。この方式の最大の特徴は、停電などの非常時には、蓄電池が即座にバックアップ電源として機能することにあります。
この役割を果たすために、回路は以下のような並列接続となります。
- 電源から送られた交流を整流器で直流に変換する。
- 変換された直流が、負荷へ電力を供給する。
- 同時に、同じ電圧で蓄電池にも微小な電流(トリクル充電)を流し続ける。
もし整流器、蓄電池、負荷が直列のように配置されてしまうと、どちらか一方にしか電流が流れなかったり、電圧制御が適切に行えなくなったりするため、浮動充電としての機能を満たせません。
選択肢を判断するプロセス
試験本番では、図を見た瞬間に「整流器、蓄電池、負荷が共通の直流バスに並列接続されているか」という視点で各選択肢を排除していきます。
- イやロのような直列・混在した回路は、整流器の出力が蓄電池を経由して負荷へ流れるなど、浮動充電本来の並列運用の形ではありません。
- ハのような構成も、接続順序や分岐点から見て並列運用とは呼べない不自然な構成です。
- ニの図を確認すると、電源から整流器を経由した後、整流器と蓄電池と負荷が並列に繋がっていることがわかります。これが浮動充電方式の正しい電気的配置です。
現場での活用と重要性
この知識は、非常用電源設備や通信用直流電源装置の設計・保守において極めて重要です。浮動充電方式は、突発的な停電時にも負荷に対して瞬断なく電力を供給し続けられるため、データセンターのUPSや、消防設備のバックアップ電源などで標準的に採用されています。
試験問題としては「構成図を選ばせる」という基礎的な問いですが、実務においては「なぜこの回路構成になっているのか」を理解しておくことが、停電事故時の原因特定や、蓄電池の劣化診断といった応用的な判断力に直結します。