第一種電気工事士試験 / 平成28年度 筆記試験 / 問12
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平成28年度 筆記試験 問12 解説 誘導電動機の回転速度

定格出力22kW, 極数6の三相誘導 電動機が電源周波数50Hz, 滑り5%で 運転している。このときの, この電動機の 同期速度Ns[min^-1]と回転速度N[min^-1]との 差Ns-N[min^-1]は。

  1. イ. 25
  2. ロ. 50 ✓ 正答
  3. ハ. 75
  4. ニ. 100

解説

この問題は、同期速度と回転速度の差、すなわちすべり速度を求めるものです。以下の手順で計算します。

  1. 同期速度 Ns=120fp=120×506=1000 min1Ns = \frac{120f}{p} = \frac{120 \times 50}{6} = 1000 \text{ min}^{-1} を算出する。
  2. すべり s=0.05s = 0.05 を用いて、差である NsN=s×NsNs - N = s \times Ns を計算する。
  3. 0.05×1000=50 min10.05 \times 1000 = 50 \text{ min}^{-1} を求める。

同期速度とすべりの関係

三相誘導電動機において、同期速度 NsNs は電源周波数 ff と極数 pp によって決まる回転磁界の速度です。この回転磁界に対して、実際の回転子 NN は少し遅れて回転します。この遅れの割合を示すのが「すべり ss」です。

定義式は s=NsNNss = \frac{Ns - N}{Ns} です。この式を変形すると、問題で問われている「回転速度の差(すべり速度)」は NsN=s×NsNs - N = s \times Ns となります。つまり、同期速度の何%分が遅れているかを直接計算すればよいという構造になっています。

計算における思考の手順

まず、問題文から与えられた数値を確認します。周波数 f=50 Hzf = 50 \text{ Hz}、極数 p=6p = 6、すべり s=5%=0.05s = 5\% = 0.05 です。出力 22 kW22 \text{ kW} という値は、今回の計算には直接関係しませんが、この電動機の規模感を示す情報です。

計算の際、同期速度の公式 Ns=120fpNs = \frac{120f}{p} は暗記しておく必要があります。今回は p=6p=6 なので 120×50/6120 \times 50 / 6 を計算しますが、分母と分子を先に整理して 20×50=100020 \times 50 = 1000 と考えるとスムーズです。

次に、すべり 0.050.05 を掛けます。パーセント表記の 5%5\% を小数 0.050.05 に変換し、同期速度 10001000 に掛けることで、回転速度の差が 5050 であることが導き出せます。試験現場では、式を立ててから計算する一連の流れを素早く行うことが求められます。

実務における電動機の特性とこの知識の意義

誘導電動機の特性を理解する上で、この「回転差」は極めて重要です。なぜなら、誘導電動機は回転磁界と回転子に速度差があるからこそ、回転子に誘導電流が流れ、トルクが発生するからです。もし速度差がゼロ(同期速度で回転)になれば、トルクはゼロになります。

実務では、このすべりによって運転効率やトルク特性が変化するため、設計や選定の段階で非常に重視されます。例えば、負荷が大きくなるとすべりが大きくなり、回転速度は低下します。この挙動を知っておくことは、モーターの異常発熱や負荷変動時の動作を予測する際の基本となります。また、インバータ制御などを行う際も、このすべりの概念が制御ロジックの根底に流れています。

参考リンク

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