平成28年度 筆記試験 問24 解説 配線器具の名称
写真に示す配線器具の名称は。
- イ. 接地端子付コンセント
- ロ. 抜止形コンセント
- ハ. 防雨形コンセント
- ニ. 医用コンセント ✓ 正答
解説
この問題は、写真に写っている器具の中央にある「H」というマークと、全体の独特な形状を見分けることで正解を導き出します。
医用コンセントを見分けるポイント
写真のコンセントには、以下の2つの大きな特徴があります。
中央に「H」のマークがある このマークはHospital(病院)の頭文字を指しており、医用コンセントであることを示す日本配線システム工業会規格の表示です。
構造の堅牢さとアース線 医用コンセントは一般的な家庭用コンセントとは異なり、プラグの保持力が強く、耐久性や信頼性が高い構造をしています。裏面に見えるアース線(接地線)も、医療機器の安全な接地のために必須の装備です。
医用コンセントが求められる理由
病院などの医療現場では、ペースメーカーや心電図モニターなど、人体に直接影響を与える精密機器が多く使用されます。もしコンセントからプラグが抜けかかったり、接地が不完全だったりすると、ノイズの発生や微弱電流による患者へのショック(マイクロショック)を引き起こす危険性があります。
そのため、一般用コンセントよりも厳しいJIS規格や内線規程の基準をクリアしたものだけが「医用コンセント」として認められ、医療現場で使用されます。試験でこの写真が出たときは、まず中央の「H」マークを探し、それが一般家庭で見かけるコンセントとは少し違った、頑丈そうな雰囲気を持っているかどうかを確認してください。
現場でこの知識が果たす役割
第一種電気工事士の資格を取得した後、病院やクリニックなどの電気設備工事に携わる機会は少なくありません。その際、図面上で「医用」と指定されている箇所に、誤って一般用のコンセントを取り付けてしまうと、重大な事故につながる恐れがあります。
この問題は、単に「器具の名前を覚える」だけでなく、設置場所の安全性に対する責任を問う重要な意味を持っています。病院の設備設計や施工においては、器具の選定一つひとつに根拠があり、それが患者の命を守る基盤となっていることを理解しておく必要があります。