平成28年度 筆記試験 問25 解説 材料の名称
写真に示す材料の名称は。
- イ. ボードアンカ
- ロ. インサート ✓ 正答
- ハ. ボルト形コネクタ
- ニ. ユニバーサルエルボ
解説
この問題は、写真に写っている部品の外観的特徴である「コンクリートに埋め込むための形状」と「ボルトを取り付けるための雌ねじ構造」を特定することで正解を導き出せます。この部品は建築電気工事において、照明器具や配管をコンクリート天井から吊り下げるための土台となる「インサート」です。
インサートの役割と見分け方
インサートは、コンクリート打設前の型枠に釘で固定し、コンクリートを流し込んだ後に、吊りボルトをねじ込むための穴として機能する金具です。
写真を見ると、片側(底面側)には型枠に打ち付けるための釘や突起があり、反対側にはボルトを受けるための円筒状の構造物が見て取れます。ボードアンカのように壁裏で羽根を広げて固定する仕組みとは異なり、コンクリートの中に完全に埋め込まれるための堅牢な作りをしているのが特徴です。試験では、写真のような外観を見た瞬間に「天井吊り下げの起点」であると判断できることが重要です。
試験で見かける他の選択肢との区別
電気工事士試験において混同しやすい材料との違いを整理しておきましょう。
・ボードアンカ:石膏ボードなどの薄い板状の壁材に、照明器具やスイッチボックスを固定するために使います。裏側で羽根が開いて抜けないようにする仕組みです。コンクリート埋め込み用ではありません。 ・ボルト形コネクタ:電線を接続するための金具です。ボルトで締め付けて圧力をかけることで導通を確保します。用途が全く異なります。 ・ユニバーサルエルボ:金属管や硬質ビニル電線管の配管工事において、直角に曲げる際や電線の引き入れを容易にするために使用する継手です。
実務における位置付け
この問題の教育的意図は、単なる材料の名前を暗記すること以上に、建築躯体(コンクリート)と電気設備がどのように接続されているかという、工事の流れを理解しているかを問う点にあります。
電気工事士は、ただ配線を行うだけでなく、照明器具をどのような支持方法で取り付けるのか、現場の設計図面に基づいた指示を出すこともあります。コンクリート打設時にインサートが正しい位置になければ、後から吊りボルトを下ろすことができず、照明のレイアウトに大きな影響が出ます。そのため、インサートは電気工事の初期段階における重要な縁の下の力持ちと言える材料です。