平成28年度 筆記試験 問26 解説 ケーブル接続工具
低圧配電盤に, CV ケーブル又は CVT ケー ブルを接続する作業において, 一般に使用し ない工具は。
- イ. 電工ナイフ
- ロ. 油圧式圧着工具
- ハ. 油圧式パイプベンダ ✓ 正答
- ニ. トルクレンチ
解説
低圧配電盤へのケーブル接続という具体的な作業内容から、その目的に合致しない工具を選択します。電工ナイフ、圧着工具、トルクレンチは接続作業に不可欠ですが、パイプベンダは金属管工事の曲げ加工に用いるものであり、接続作業とは用途が異なります。
ケーブル接続作業に必要な工具の役割
配電盤にCVケーブルやCVTケーブルを接続する際には、主に以下の3つの段階を経て作業が行われます。
- 外装および絶縁被覆の剥離:電工ナイフを使用します。ケーブルの端部を加工し、導体を露出させるために必須です。
- 端子接続:導体に圧着端子を取り付けます。ケーブルの太さに応じて圧着工具を使用しますが、太いケーブルには油圧式圧着工具が用いられます。
- ボルトの締め付け:端子を配電盤の端子台に固定します。この際、接続不良や過熱を防ぐため、トルクレンチを用いて規定のトルクで締め付けることが義務付けられています。
これらに対し、油圧式パイプベンダは金属管を配管する際に使用する工具です。金属管に配管を通す作業と、配電盤の内部で端子を接続する作業は工事の工程が全く異なるため、混同しないように整理しておくことが重要です。
作業内容と工具を紐づけて覚える
この問題は、単なる工具の名称暗記ではなく、工事の工程ごとの「目的」を理解しているかを問うています。
試験対策としては、工具名を覚える際に「どの作業で使うのか」をセットでイメージすることが有効です。
- 削る・切る・剥く:電工ナイフ、ケーブルカッタ、ストリッパ
- つなぐ・圧着する:ハンドプレス、油圧式圧着工具
- 固定する・締める:モンキーレンチ、トルクレンチ、ドライバ
- 曲げる・通す:パイプベンダ、通線工具(ロッド)
このように分類しておくことで、出題者が「作業内容」と「工具」を入れ替えて引っかけを作ろうとした際にも、論理的に誤りを指摘できるようになります。
実際の現場での重要性
第一種電気工事士の現場では、確実な接続が安全管理の要となります。特にトルク管理は重要で、トルクレンチを使用せずに締め付けると、接続部が緩んで異常発熱を起こし、最悪の場合は火災につながる恐れがあります。
また、油圧式圧着工具は高価で重量があるため、現場での作業時には「どのサイズの端子まで対応できるか」「油圧のメンテナンスは必要か」といった管理も技術者の仕事です。工具の用途を正しく理解し、適材適所で使い分けることは、単なる試験対策を超えて、プロフェッショナルな電気工事士としての基本的な素養となります。