第一種電気工事士試験 / 平成29年度 上期 筆記試験 / 問7
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平成29年度 上期 筆記試験 問7 解説 三相配電線の電力損失

設問図

図のように, 定格電圧200V, 消費電力17.3kWの 三相抵抗負荷に電気を供給する配電線路がある。 負荷の端子電圧が200Vであるとき, この配電 線路の電力損失[kW]は。 ただし, 配電線路の電線1線当たりの抵抗は 0.1Ωとし, 配電線路のリアクタンスは無視する。

  1. イ. 0.30
  2. ロ. 0.55
  3. ハ. 0.75 ✓ 正答
  4. ニ. 0.90

解説

電力損失を求める手順は以下の通りです。

  1. 三相電力の公式 P=3VIcosθP = \sqrt{3}VI \cos \theta を用いて、線電流 II を算出する。
  2. 三相回路の電力損失は線路1線あたりの損失 I2rI^2 r を3倍して求める。 PL=3I2rP_L = 3 I^2 r

線電流の算出

三相抵抗負荷の消費電力 P=17.3P = 17.3 [kW]、線間電圧 V=200V = 200 [V]、抵抗負荷であるため力率 cosθ=1\cos \theta = 1 です。 公式を変形して線電流 II を求めます。

I=P3Vcosθ=173003×200×1I = \frac{P}{\sqrt{3} V \cos \theta} = \frac{17300}{\sqrt{3} \times 200 \times 1}

ここで 31.73\sqrt{3} \approx 1.73 を用いると計算が簡略化できます。

I=173001.73×200=17300346=50I = \frac{17300}{1.73 \times 200} = \frac{17300}{346} = 50 [A]

電力損失の算出

次に、配電線路の抵抗 r=0.1r = 0.1 [Ω] による電力損失 PLP_L を求めます。三相3線式では線路が3本あるため、それぞれの損失を合計します。

PL=3×I2×r=3×502×0.1P_L = 3 \times I^2 \times r = 3 \times 50^2 \times 0.1 PL=3×2500×0.1=750P_L = 3 \times 2500 \times 0.1 = 750 [W]

問題文の単位は [kW] なので、0.75 [kW] となります。

三相回路における損失の考え方

三相3線式回路において、電力損失が 3I2r3I^2r となるのは、電流が3本の電線をそれぞれ通るためです。各線路での熱損失 I2rI^2r が合計で3倍分発生すると考えれば直感的に理解しやすいでしょう。

単相回路では 2I2r2I^2r となりますが、これは往復の2本の電線を電流が流れるためです。配電線路の損失計算は、電流の二乗と抵抗の積に「電線の本数」を掛けるという共通の法則に基づいています。

現場における電力損失計算の重要性

実務においてこの計算は、電圧降下の検討と並んで、配線の太さ(許容電流と電圧降下による選定)を決定する際、あるいは省エネ設計を行う際に不可欠なプロセスです。

電線の太さを決める際、許容電流だけで選ぶと長い配線では電圧降下が大きくなり、また電線自体の発熱による電力損失(ロス)も無視できなくなります。特に工場やビルなどの大型設備では、この 3I2r3I^2r による損失を減らすことがランニングコスト低減に直結します。試験で問われるこの基礎的な計算は、実際の現場で効率的な配線方式や電線サイズを検討するための入り口となる重要な知識です。

参考リンク

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