平成29年度 上期 筆記試験 問8 解説 配電線路の電圧降下
図は単相2線式の配電線路の単線結線図である。 電線1線当たりの抵抗は, A-B間で0.1Ω, B-C間で0.2Ωである。A点の線間電圧が210Vで, B点, C点にそれぞれ負荷電流10Aの抵抗負荷があると き, C点の線間電圧[V]は。 ただし, 線路リアクタンスは無視する。
- イ. 200
- ロ. 202 ✓ 正答
- ハ. 204
- ニ. 208
解説
単相2線式の電圧降下を求めるには、各区間を流れる電流と往復の抵抗を把握し、オームの法則()を適用して、順番に電圧降下を差し引くことで算出します。
計算手順は以下の通りです。
各区間の電流を求める: A-B間にはBとC両方の負荷電流が流れるため、 です。 B-C間にはCの負荷電流のみが流れるため、 です。
各区間の往復の電圧降下を求める: 単相2線式のため、線路抵抗は往復分(2倍)を考慮する必要があります。 A-B間の電圧降下 B-C間の電圧降下
C点の電圧を求める: A点の電圧から各区間の電圧降下を引きます。
単相2線式における往復の考え方
単相2線式では、電源から負荷へ向かう電線と、戻ってくる電線の2本で回路が構成されています。問題文に「電線1線当たりの抵抗」とある場合、その区間の電圧降下を計算する際には必ず2倍の抵抗値を掛け合わせる必要があります。往復の電流が同じ大きさであることを利用して、ひとまとめのループとして扱うのが計算のコツです。
電流の分岐を捉える
この問題は、線路を直列に繋がった複数の区間として捉えることが重要です。電源側から遠い位置にある負荷ほど、手前の線路を流れる電流の影響をすべて受けます。そのため、区間ごとに「この区間には合計で何アンペア流れているのか」を左(電源側)から右(末端側)に向かって整理していくと、取りこぼしなく計算できます。
配電線路の電圧降下計算の意義
電気工事士の実務において、電線の太さを決定する際には、許容電流だけでなく電圧降下の許容範囲が非常に重要です。この計算ができるということは、末端の負荷において「電圧が下がりすぎて動作不良や効率低下が起きていないか」を設計段階で判断できることを意味します。この問題は、まさに現場で電線サイズを選定する際のシミュレーションを簡略化したものと言えます。現実には距離による抵抗値も計算する必要がありますが、考え方の根幹は本問の通りです。