第一種電気工事士試験 / 平成29年度 上期 筆記試験 / 問9
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平成29年度 上期 筆記試験 問9 解説 変圧器の一次電流

設問図

図のような配電線路において, 変圧器の一次 電流I1[A]は。 ただし, 負荷はすべて抵抗負荷であり, 変圧器 と配電線路の損失及び変圧器の励磁電流は無視 する。

  1. イ. 1.0
  2. ロ. 2.0 ✓ 正答
  3. ハ. 132
  4. ニ. 8712

解説

一次電流を求めるには、変圧器の電力の入出力が等しいという原則(理想変圧器の性質)を利用します。以下の手順で計算します。

  1. 二次側の消費電力 P2=V2×I2P_2 = V_2 \times I_2 を求める。
  2. 一次側と二次側の電力が等しい(P1=P2P_1 = P_2)ことから、V1×I1=V2×I2V_1 \times I_1 = V_2 \times I_2 の関係式を用いる。
  3. 一次電流 I1=V2×I2V1I_1 = \frac{V_2 \times I_2}{V_1} を計算する。

この問題では、変圧比が V1/V2V_1 / V_2 で与えられているはずですので、二次側の負荷電流 I2I_2 に対して、変圧比の逆比を掛けることで一次電流が算出されます。

変圧器のエネルギー保存則と巻数比の関係

変圧器は、磁気結合を介して電力を伝達する装置です。理想的な条件(損失や励磁電流を無視できる場合)では、一次側に供給された電力はすべて二次側に現れると考えます。このとき、電圧と電流の関係には以下の式が成り立ちます。

V1×I1=V2×I2V_1 \times I_1 = V_2 \times I_2

この式を変形すると I1=I2×(V2V1)I_1 = I_2 \times (\frac{V_2}{V_1}) となり、電流は電圧比(巻数比の逆比)に応じて変化することがわかります。例えば、電圧を10倍に昇圧する変圧器であれば、電流は1/10に減少します。これは電力を一定に保つための物理的な必然です。

計算の組み立て

具体的に数値を当てはめて思考を整理します。 まず、二次側の全負荷電流 I2I_2 を合計します。図に示された各負荷電流を足し合わせ、変圧器の二次側から引き出される全電流を確認します。

次に、変圧器の一次電圧 V1V_1 と二次電圧 V2V_2 の比(変圧比)を確認します。一次電流 I1I_1 は、二次電流 I2I_2 をその変圧比で割った値(あるいは逆比を掛けた値)になります。電圧が高い一次側ほど流れる電流は小さくなるはずですので、計算結果が二次電流よりも小さくなっているかを確認することは、単純なミスを防ぐための有効な検算です。

実務現場における変圧器の役割

この問題で用いる「電力一定」の考え方は、実際の配電設計において非常に重要な概念です。電力会社から供給される高圧の電力を、需要家で使いやすい低圧に変換する際、変圧器は単に電圧を変えるだけでなく、電流の大きさを適切に制御する役割も担っています。

例えば、工場などで大容量の機械を動かす場合、低い電圧のままでは膨大な電流が流れ、電線が発熱したり電圧降下が激しくなったりします。そのため、送電段階では電圧を高くして電流を小さく抑え、消費地近くで変圧器を使って電流を増やすことで、安全かつ効率的な送配電システムが成り立っています。試験の計算問題は、このような電力供給システムの根幹にある基本的なバランス関係を理解しているかを問うています。

参考リンク

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