第一種電気工事士試験 / 平成30年度 筆記試験(追加試験分) / 問22
certification-simodake-work

平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問22 解説 高圧受電機器の名称

設問図

写真に示す機器の名称は。

  1. イ. 直列リアクトル
  2. ロ. 高圧交流負荷開閉器
  3. ハ. 三相変圧器
  4. ニ. 電力需給用計器用変成器 ✓ 正答

解説

写真に示す機器を特定するには、端子部のラベルと、計器用変成器特有の端子箱の配置を確認します。正面に電源側の端子としてUK、VK、WKといった電圧・電流の情報を取るための接続箇所があり、かつ計器接続用の端子箱が一体化されている点が、電力需給用計器用変成器(MOF)の大きな外観的特徴です。

外観から機器を判別するポイント

写真の機器には、高圧電路に接続するための3つのブッシングが並んでいます。電力需給用計器用変成器、通称MOF(Metering Out Fit)は、高圧受電設備において電力量計へ入力するための「変圧器(VT)」と「変流器(CT)」を一つのタンク内に収めた機器です。

他の選択肢との見分け方は以下の通りです。 直列リアクトルは、一般的に単独のコイル状または箱型の構造をしており、ブッシングがこのように整然と並んでいるタイプではありません。また、高圧交流負荷開閉器(LBS)は、開閉を行うための機構部が目立ち、消弧装置を備えているため形状が全く異なります。三相変圧器との混同には注意が必要ですが、MOFは上部に計器へ送るための配線を引き出す小さな端子箱が張り出していることが多く、一般的な配電用変圧器よりも小型で計器用端子盤が一体化していることが決定的な識別点となります。

なぜこの機器が必要なのか

電力需給用計器用変成器は、高圧電路の電力を直接計測できないために存在します。電力会社と需要家の間で取引される電力量を正確に計るためには、電圧を下げ、電流を小さくして、取り扱いやすい数値に変換しなければなりません。

この機器の中では以下の変換が行われています。

  1. 計器用変圧器(VT):高い送電電圧を、電力量計で扱いやすい110Vに降圧する。
  2. 計器用変流器(CT):大きな負荷電流を、電力量計で扱いやすい5A程度の小さな電流に変流する。

これらが一つの容器に封入されているため、工事現場での設置作業や配線が簡略化され、計測精度の信頼性も確保されています。

実務における位置付け

電気工事士の試験においてこの機器を正しく認識することは、受電設備図面を理解する第一歩です。受電設備の入り口付近に配置され、高圧ケーブルが最初に接続される重要な機器の一つがMOFです。

実際の現場では、このMOFの二次側が電力量計へとつながり、そこから先の電気料金が決定されます。試験対策としては、単に名前を暗記するだけでなく、高圧受電設備の中でどの位置にあり、どのような役割を果たしているかをイメージできるようにしておくと、他の図記号問題や配線図問題への応用力も高まります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう