第一種電気工事士試験 / 平成30年度 筆記試験(追加試験分) / 問36
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平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問36 解説 絶縁抵抗値

電気使用場所における対地電圧が 200 V の三相 3 線式電路の,開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに,電線相互間及び大地との間の絶縁抵抗の最小限度 [MΩ] は。

  1. イ. 0.1
  2. ロ. 0.2 ✓ 正答
  3. ハ. 0.4
  4. ニ. 1.0

解説

この問題は、電気設備に関する技術基準を定める省令に基づいて、低圧電路の絶縁抵抗の最小値を選択する知識問題です。電路の対地電圧が200Vであることから、150Vを超え300V以下の区分に該当するため、絶縁抵抗の最小限度値は0.2MΩとなります。

低圧電路の絶縁抵抗に関する法的な基準

電気設備技術基準の解釈第58条では、低圧電路の絶縁性能を維持するために、電路の電圧区分に応じた絶縁抵抗の最小値を定めています。この基準は、漏電による火災や感電事故を防ぐための最低ラインを示すものです。

具体的には、電路の対地電圧に応じて以下の三段階に区分されています。

  1. 対地電圧が150V以下の場合:0.1MΩ以上
  2. 対地電圧が150Vを超え300V以下の場合:0.2MΩ以上
  3. 対地電圧が300Vを超える場合:0.4MΩ以上

問題文では「対地電圧が200V」と明記されているため、2番目の区分である0.2MΩが正解となります。第一種電気工事士の試験では、この数値の組み合わせを正確に記憶していることが求められます。

三相3線式における対地電圧の捉え方

この問題のポイントは、線間電圧ではなく「対地電圧」が基準になっている点です。日本の低圧配電方式において、三相3線式200Vの電路は、通常一端が接地(B種接地)されています。この場合、接地されていない電線と大地との間の電圧(対地電圧)は、線間電圧と同じ200Vになります。

一方で、もしこれが単相3線式の100/200V電路であれば、中性線が接地されているため、どの電線から見ても対地電圧は100Vとなります。その場合の絶縁抵抗の基準は0.1MΩになります。第一種電気工事士の試験では、単に200Vという数字だけで判断せず、問題文に書かれた対地電圧を正確に読み取ることが重要です。

絶縁抵抗値と漏れ電流の関係

なぜこれらの数値が定められているのかという背景を知ることは、実務においても非常に役立ちます。絶縁抵抗の基準値は、回路に電圧をかけた際に発生する「漏れ電流」を一定以下に抑えるという考え方に基づいています。

電気設備技術基準では、低圧電路の漏れ電流を1mA以下に保つことが求められています。オームの法則(I=V/RI = V / R)を当てはめて考えると、対地電圧が200Vの電路で絶縁抵抗が0.2MΩであるとき、漏れ電流は次のように計算できます。

I=200V/200,000Ω=0.001A=1mAI = 200\text{V} / 200,000\Omega = 0.001\text{A} = 1\text{mA}

つまり、0.2MΩという数値は、漏れ電流を1mAに抑えるための限界値なのです。同様に、対地電圧100Vで0.1MΩの場合も、300Vを超えて対地電圧が400V程度になる場合(400V級回路)の0.4MΩの場合も、計算すると漏れ電流は1mAになります。このように「漏れ電流1mA」という物理的な安全基準と紐付けて覚えておくと、試験中に数値を忘れても導き出すことが可能です。

現場での絶縁抵抗測定の意義

実際の電気工事の現場では、建物の新築時や点検時に絶縁抵抗計(メガー)を用いてこの値を測定します。絶縁抵抗値が規定を下回っている場合、電線の被覆の損傷や、器具の劣化、湿気による絶縁不良などが疑われます。

第一種電気工事士が扱うような工場やビルの動力回路(三相3線式200V)では、単相の照明回路などよりも負荷が大きく、環境も過酷なことが多いため、絶縁管理は極めて重要です。この問題で問われている知識は、単なる試験対策にとどまらず、電気設備の安全を守る実務の基礎となるものです。

参考リンク

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