平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問48 解説 ヒューズの判別
⑧の機器で使用するヒューズは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
画像中央に示された刃型ヒューズ(ナイフ形ヒューズ)が「⑤の機器」に該当すると考えられます。このヒューズはナイフスイッチなどに組み合わせて使用され、過電流から回路を保護します。したがって、その形状を認識し、選択肢「イ」が刃型ヒューズであることを識別することがこの問題のポイントです。
刃型ヒューズの役割と種類
電気回路を過電流から守るために欠かせないのがヒューズです。ヒューズは、回路に過大な電流が流れた際に、内部の溶断エレメントが熱によって溶断し、回路を開放することで機器の損傷や火災を防ぎます。特に、第一種電気工事士が扱うような高圧・大電流の回路では、確実な保護機能が求められます。
刃型ヒューズ(ナイフ形ヒューズ)の構造と特徴
画像中央に示されているのは「刃型ヒューズ」、または「ナイフ形ヒューズ」と呼ばれるものです。このヒューズは、両端に平たい刃状の端子を持っており、これをナイフスイッチの受け金具に差し込んで使用します。
- 高電圧・大電流回路での使用: 主に高圧受電設備や工場などの大電流回路の保護に用いられます。
- 高い遮断容量: 比較的大きな短絡電流を安全に遮断できる能力を持っています。
- 取り付けの確実性: 刃状の端子がしっかりと受け金具に固定されるため、接触不良による発熱リスクが低いのが特徴です。
- 取り扱い時の注意: 高電圧・大電流回路で使用されるため、交換作業時には必ず電源を切り、専用のヒューズ抜き(画像右の機器)を使用して感電や短絡事故を防ぐ必要があります。
その他の保護装置との比較
電気設備にはヒューズ以外にもさまざまな過電流保護装置があります。
- 配線用遮断器 (ブレーカー): 画像左に一部が写っている機器です。過電流や短絡電流が流れた際に自動で回路を遮断し、手動で復旧させることができます。再使用が容易な点がヒューズとの大きな違いです。
- 漏電遮断器 (ELCB/RCCB): 配線用遮断器の機能に加えて、漏電を検知して回路を遮断する機能を持っています。人体保護や火災防止に貢献します。 ヒューズと配線用遮断器は、それぞれ一長一短があり、回路の特性や求められる保護レベルに応じて使い分けられます。ヒューズは一度溶断すると交換が必要ですが、その分確実な遮断性能を持つ場合が多く、特定の用途で重宝されます。
ヒューズの選定と安全な取り扱い
適切なヒューズを選び、安全に取り扱うことは、電気設備の安全性を確保する上で非常に重要です。
ヒューズ選定のポイント
- 定格電流: 通常の使用電流よりもわずかに大きい定格電流のヒューズを選びます。過大な電流が短時間流れてもすぐに溶断しないよう、機器の起動電流なども考慮に入れる必要があります。
- 定格電圧: 回路の電圧に適合する定格電圧のヒューズを選びます。定格電圧を超える回路で使用すると、溶断時にアークが消えずに継続したり、絶縁破壊を引き起こす危険性があります。
- 遮断容量: 事故電流(短絡電流など)を安全に遮断できる十分な遮断容量を持つヒューズを選びます。万が一の事故時に回路を確実に保護するためには、この遮断容量が最も重要な要素の一つです。
ヒューズ交換時の安全作業
刃型ヒューズを含む高圧・大電流回路のヒューズ交換は、非常に危険な作業です。
- 電源の遮断: 何よりもまず、回路の電源を完全に遮断することが必須です。無停電状態でのヒューズ交換は、感電や短絡事故に直結します。
- 専用工具の使用: 画像右にあるような「ヒューズ抜き」と呼ばれる絶縁性の専用工具を使用します。手袋や絶縁工具なしでの作業は絶対に避けなければなりません。
- 原因究明: ヒューズが溶断した場合は、単に交換するだけでなく、なぜ溶断したのか原因を究明することが重要です。過負荷、短絡、機器の故障などが考えられ、原因を取り除かずに交換しても再び溶断するか、より大きな事故につながる可能性があります。
この問題は、第一種電気工事士として、現場で頻繁に目にする保護装置の一つである刃型ヒューズを正確に識別し、その役割や選定、安全な取り扱いに関する基本的な知識が身についているかを確認するものです。実務においても、これらの知識は電気設備の保守管理やトラブルシューティングにおいて不可欠となります。