第一種電気工事士試験 / 平成30年度 筆記試験(追加試験分) / 問50
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平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問50 解説 変圧器の台数

⑩に設置する機器と台数は。

選択肢図
  1. イ. ✓ 正答
  2. ロ.
  3. ハ.
  4. ニ.

解説

この問題は、提示された図に示される「⑩」の機器、すなわち柱上変圧器の種類と必要な台数を識別する知識を問うものです。

柱上変圧器の識別と台数

図に示されているのは、配電線の電柱に設置される変圧器、通称「柱上変圧器」です。よく見ると、この変圧器の上面には高圧配線が接続されるためのブッシングが3つあります。これは「単相変圧器」の特徴です。そして、写真の右側には完全に1台の単相変圧器が写っており、左側にはもう1台の変圧器の一部が写っていることから、合計で2台の単相変圧器が設置されている状況と読み取れます。

第一種電気工事士の試験において、柱上変圧器の台数を問う問題では、主に以下の結線方式が念頭に置かれます。

  • 単相3線式配電(異容量V結線): 一般家庭や小規模店舗への低圧電力供給に用いられ、照明などの単相負荷と小型モーターなどの動力負荷の両方に対応できます。この方式には単相変圧器が2台必要です。
  • 三相3線式配電(V結線、またはオープンΔ結線): 主に小規模の工場や業務用エアコンなどの三相負荷に電力を供給する際に用いられます。Δ結線やY結線に必要な3台ではなく、単相変圧器2台で三相電力を供給できる経済的な結線方式です。

図が2台の単相変圧器を示していること、そしてこれらの一般的な結線方式に2台の単相変圧器が用いられることから、選択肢「イ」は「単相変圧器 2台」を指していると考えられます。

柱上変圧器の役割と種類

柱上変圧器は、発電所から送られてきた高圧の電気(例えば6.6kV)を、私たちが普段使う低圧(100Vや200Vなど)に変換して供給するための非常に重要な設備です。電柱の上、すなわち屋外に設置されるため、雨風に強く、耐久性のある構造をしています。

変圧器には単相用と三相用がありますが、配電系統では通常、単相の変圧器を組み合わせて三相や単相3線式の電力を供給します。

  • 単相変圧器: 巻線が単相用のものです。図の機器のように、高圧側のブッシングが3つある場合、これは例えば一次側(高圧側)が中性点接地されている高圧3線式配電線に接続される場合や、あるいは中間タップを持つ単相巻線が内部にある場合などを示します。
  • 三相変圧器: 一つの筐体内に三相分の巻線が収められているものです。大規模な受電設備や、特定の用途で使われますが、柱上変圧器としては単相変圧器を複数台設置する方が一般的です。

結線方式と台数の関係

私たちが利用する電力は、使用する機器によって単相と三相に分かれます。これらを効率よく供給するために、単相変圧器の台数を変え、様々な結線方式が用いられます。

  1. 単相2線式: 最もシンプルな配電方式で、単相の変圧器1台で供給可能です。

  2. 単相3線式(異容量V結線): 家庭や店舗で広く利用される方式です。単相変圧器2台を使用し、片方を照明用(通常容量が小さい)、もう片方を動力用(通常容量が大きい)として結線します。これにより、単相100Vと200Vの両方を供給でき、電力の利用効率も良くなります。

  3. 三相3線式(V結線): 工場や大型エアコンなどで使われる三相電力を供給する方法の一つです。本来三相電力を得るには3台の単相変圧器が必要なΔ(デルタ)結線やY(スター)結線が一般的ですが、V結線は単相変圧器2台で三相電力を供給できます。

    • V結線のメリット: 変圧器が1台少なく済むため経済的です。また、もし1台の変圧器が故障しても、残りの2台でV結線として運転を継続できます(ただし、出力は元のΔ結線の約57.7%に低下します)。
    • V結線のデメリット: 出力できる電力が低下するほか、負荷が不平衡な場合に波形が歪みやすいなどの課題もあります。

この問題の図は、まさにこの「単相変圧器を2台用いる結線」が適用される状況を示しているため、正解は「単相変圧器 2台」となります。

この問題が問う知識と実務への応用

この問題は、単に機器の形を覚えるだけでなく、それがどのような目的で、どのような結線で、何台使われるのかという基本的な電気設備の構成に関する知識を問うています。 電気工事士として、配電線から供給される電力がどのように変換され、需要家に届けられるのかを理解することは非常に重要です。例えば、新しい建物の電気設備設計を行う際や、既存設備の改修工事を行う際、あるいは故障診断を行う際にも、この柱上変圧器の結線方式や台数に関する知識は不可欠となります。どの負荷に対して、どのような種類の電力を、何台の変圧器で供給するのが適切かを判断できる能力は、安全で効率的な電気設備を構築するために役立ちます。

参考リンク

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