第一種電気工事士試験 / 平成30年度 第一種 筆記試験 / 問41
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平成30年度 第一種 筆記試験 問41 解説 図記号の役割

①で示す図記号の機器に関する記述として、正しいものは。

  1. イ. 零相電流を検出する。
  2. ロ. 短絡電流を検出する。
  3. ハ. 欠相電圧を検出する。
  4. ニ. 零相電圧を検出する。 ✓ 正答

解説

この問題は、第一種電気工事士試験で頻出する保護継電器関連の機器に関する知識を問うものです。提示された図記号(この解説では零相変圧器(ZPT)と仮定します)がどの機器を表しているか正確に識別し、その基本的な機能である「零相電圧の検出」を理解していれば、正解にたどり着けます。

零相変圧器(ZPT)の役割と地絡検出

①で示される図記号は、一般的に「零相変圧器(ZPT: Zero Phase-sequence Voltage Transformer)」を表します。この機器は、電力系統において地絡事故を検出するために非常に重要な役割を担っています。

零相電圧とは何か

そもそも「零相電圧」とは、三相交流回路において、各相の電圧のベクトル和がゼロにならない場合に生じる電圧成分のことです。健全な三相回路では、R相、S相、T相(またはA相、B相、C相)の電圧は大きさが等しく、互いに120度ずつ位相がずれているため、そのベクトル和は理論上ゼロとなります。

しかし、電路の一部が大地と接触する「地絡事故」が発生すると、三相の電圧平衡が崩れ、中性点電位が移動します。この結果、各相の対地電圧の不平衡が生じ、そのベクトル和がゼロではなくなります。このゼロにならないベクトル和、つまり零相成分として検出される電圧を零相電圧と呼びます。

ZPTの検出原理

零相変圧器(ZPT)は、主に非接地系統や抵抗接地系統において、この地絡時に発生する零相電圧を検出する目的で設置されます。ZPTは、三相変圧器の一次側をY結線、二次側をオープンデルタ(開路デルタ)結線とすることで、健全時には二次側に電圧が発生しないように構成されています。

ところが、地絡事故が発生して系統に零相電圧が生じると、その零相電圧成分が一次側Y結線の各相巻線に誘起され、二次側のオープンデルタ結線端子間に零相電圧として現れます。この検出された零相電圧を地絡継電器に入力することで、地絡事故の発生を検知し、遮断器を動作させて事故箇所を切り離す保護動作へと繋げます。

零相変流器(ZCT)との違い

地絡事故の検出には、零相変圧器(ZPT)の他に「零相変流器(ZCT: Zero Phase-sequence Current Transformer)」も用いられます。これらは名前も用途も似ていますが、検出対象が明確に異なります。

  • 零相変圧器(ZPT): 零相電圧を検出します。主に非接地系統や抵抗接地系統で、地絡時の電圧の不平衡を捉えるために使用されます。
  • 零相変流器(ZCT): 零相電流を検出します。これは、電路を流れる三相電流のベクトル和が地絡時にゼロでなくなる現象を利用します。漏電遮断器や地絡継電器と組み合わせて、接地系統や高抵抗接地系統など、幅広い系統で地絡電流を検出するために使用されます。

この問題の正解が「零相電圧を検出する」であることから、図記号は零相変圧器(ZPT)を指していると判断できます。試験では、これらの機器の図記号と機能、そしてそれぞれがどの保護継電器と組み合わせてどのような系統で用いられるかを理解しておくことが重要です。

第一種電気工事士試験における重要性

保護継電器とその検出器に関する知識は、第一種電気工事士試験において非常に重要な分野です。特に、高圧・特別高圧設備における地絡保護は、感電事故防止や設備損傷防止のために不可欠な技術であり、その原理と機器構成を理解することは、現場での安全な電気設備の運用・管理に直結します。試験問題を通じて、これらの専門知識が実務にどう活かされるかを意識しながら学習を進めることが、合格への近道となるでしょう。

参考リンク

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