平成30年度 第一種 筆記試験 問45 解説 機器の役割
⑤で示す機器の役割は。
- イ. 高圧電路の電流を変流する。 ✓ 正答
- ロ. 電路に侵入した過電圧を抑制する。
- ハ. 高電圧を低電圧に変圧する。
- ニ. 地絡電流を検出する。
解説
この問題は、図記号から機器を特定し、その役割を理解しているかを問うものです。選択肢を読む前に、図中の⑤がどのような機器を示しているかを判断することが重要です。
機器の特定と役割の理解
図中の⑤は、一般的に高圧回路に設置される「変流器(Current Transformer: CT)」の図記号です。変流器は、高圧電路を流れる大きな電流を、計器(電流計など)や保護継電器が扱えるように、一定の比率で小さな電流に変換(変流)する役割を担います。
この知識があれば、選択肢を検討するまでもなく、⑤の機器の役割が「高圧電路の電流を変流する」ことであると判断できます。
選択肢の検討と誤りの理由
イ. 高圧電路の電流を変流する。 これが変流器(CT)の正しい役割です。高圧電路の大電流を、測定や保護に必要な小電流に変換します。
ロ. 電路に侵入した過電圧を抑制する。 これは避雷器(Surge Arrester)などの機器の役割です。変流器とは異なります。
ハ. 高圧電圧を低電圧に変圧する。 これは変圧器(Transformer)の役割です。変流器は電流を対象とするもので、電圧を変えるものではありません。
ニ. 地絡電流を検出する。 地絡電流の検出は、地絡検出装置や保護継電器が行いますが、その入力として変流器(特に零相変流器)が使用されることはあります。しかし、変流器自体の直接的な役割は「変流」であり、「検出」は後段の装置が行うことになります。また、この選択肢は特定の状況(地絡)に限定されており、変流器の一般的な役割としては不十分です。
変流器(CT)が活躍する場面
変流器は、電力系統において非常に重要な役割を果たしています。
- 電流測定: 高圧回路の電流を正確に測定するために、電流計の一次側に直列に接続されます。CTがなければ、高圧回路の大きな電流を直接測定することは危険であり、また測定器も破損してしまいます。
- 保護: 電力系統に事故(短絡や地絡など)が発生した際に、その事故電流を検知し、遮断器などを動作させて系統を保護するための継電器に信号を送るために使用されます。例えば、過電流継電器や地絡過電流継電器は、CTからの二次電流を受けて動作します。
- 監視: 電力系統の運用状況を把握するために、各回路の電流値を監視する際にも利用されます。
このように、変流器は目立たない存在かもしれませんが、電力の安定供給と安全確保に不可欠な機器なのです。