2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問25 解説 ケーブル接続工具
低圧配電盤に,CVケーブル又はCVTケーブルを接続する作業において,一般に使用しない工具は。
- イ. 油圧式圧着工具
- ロ. 電工ナイフ
- ハ. トルクレンチ
- ニ. 油圧式パイプベンダ ✓ 正答
解説
この問題は「作業工程」と「使用する工具の目的」を照らし合わせることで、瞬時に正解を導き出せます。ケーブル接続作業とは無関係な工具を選択するのが正解の考え方です。
ケーブル接続作業と工具の役割
配電盤にケーブルを接続するプロセスは、ケーブルの端末処理から端子の圧着、盤内端子への取り付けという流れで行われます。それぞれの工程で必要な工具を整理すると、選択肢の意味が見えてきます。
イの油圧式圧着工具は、太いケーブル(CVTケーブルなど)の端子を圧着するために必須です。手動の圧着工具では力が足りないため、油圧の力を用いて確実に接続を保持させます。
ロの電工ナイフは、ケーブルの外装や絶縁被覆を剥ぎ取るために使います。端末処理の第一歩として不可欠な工具です。
ハのトルクレンチは、ボルトやナットを規定の力で締め付けるために使用します。配電盤の端子台に圧着端子を固定する際、接触不良や過熱を防ぐために、メーカー指定のトルク値で締め付けることが求められます。
これらに対し、ニの油圧式パイプベンダは、金属管工事において配管を曲げるための専用工具です。ケーブル自体を曲げることはあっても、ケーブル接続作業そのものにこの工具が登場することはありません。
選択肢を絞り込むための論理
この問題を解く際は「工具の用途」を「ケーブル工事」と「配管工事」のどちらに分類できるかを考えます。
試験に出る工具は、その工具がどの工事工程で主役になるかを理解しておくと、迷うことがなくなります。圧着工具やトルクレンチは「結線・接続」の工程、電工ナイフは「下処理」の工程です。一方で、パイプベンダは「配管」の工程です。
問題文が「接続作業」という特定のフェーズを指定しているため、その工程に含まれない工具を特定することが、この問題の狙いです。第一種電気工事士の試験では、実際の現場作業を想像できるかどうかが問われています。現場ではケーブルを接続する際にパイプベンダを持ち込むことはないという、実務的な感覚が正解への近道となります。
実務で求められる工具選定の視点
この知識は、現場での工具管理や工程計画を立てる際に重要です。例えば、配電盤の更新工事を行う際、持ち込む工具箱の中に何を入れるべきかを判断する力が試験を通じて養われます。
無駄な工具を持ち込まず、必要な工具を適切に選定して作業を行うことは、作業効率だけでなく安全面においても重要です。特にトルクレンチの使用は、近年では電技解釈やメーカー施工要領でも厳格に求められるようになっており、接続不良による事故を防ぐための非常に重要な知識といえます。