2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問26 解説 防爆構造の電気材料
爆燃性粉じんのある危険場所での金属管工事において,施工する場合に使用できない材料は。
- イ.
- ロ. ✓ 正答
- ハ.
- ニ.
解説
爆燃性粉じんのある場所では、粉じんが内部に侵入したり、火花が外部に漏れたりすることを防ぐために、密閉性の高い防爆構造の材料を使用しなければなりません。この問題は、写真から「防爆構造ではない汎用的な材料」を見抜くことが正解への近道です。選択肢ロのノーマルベンドやボックスなどの汎用電線管付属品は、ネジ止めやカバーの嵌合部から粉じんが容易に侵入するため、この環境では使用できません。
粉じん防爆の基本ルール
爆燃性粉じんが存在する危険場所とは、可燃性の粉じんが空気中に浮遊し、爆発や火災のリスクがある場所を指します。電気工事においてこの場所で使用する機器や付属品は、以下の条件を満たす必要があります。
- 粉じんの侵入を防ぐ構造であること
- 内部で火花が発生しても、それを外部に伝えない構造であること
- 接続部が完全に密閉されていること
これらは技術的に「防爆構造」と呼ばれます。写真の中で、イ、ハ、ニは厚鋼電線管をネジで強固に結合するタイプの防爆用継手(防爆ユニオン、防爆型フィッティングボックスなど)です。これに対し、ロは薄鋼電線管や一般の鋼管工事で用いる安価で着脱が容易な付属品であり、気密性が確保されていません。
見極めのポイント
試験では、機器の「見た目の頑丈さ」と「構造の目的」をセットで覚えるのが有効です。防爆機器は、一般的に以下の特徴を持っています。
- 本体が分厚い鋳鉄やアルミ合金でできている
- 蓋を閉めるとパッキンや精度の高いネジ山で密閉される
- 電線管との接続がネジ込み式(ねじ切りが必要なタイプ)である
一方で、選択肢ロのようなネジ込み式ではないクランプ構造や、ネジの頭が露出しているタイプの接続部品は、密閉性が低いため、粉じんが堆積・侵入する隙間があります。試験会場で写真を見た際、「これはネジで締め込む防爆用か、それとも一般的な工具で簡単に開けられるものか」という視点を持つだけで、正誤の判断は確実になります。
なぜこの知識が重要なのか
実際の現場では、粉じん防爆は工場の集塵設備や製粉工場、木材加工場などで極めて重要な安全基準です。もし誤って汎用部品を使ってしまうと、機械の振動などで内部に微細な粉じんが侵入し、スイッチの開閉時に発生するごく小さな火花で大爆発を引き起こす恐れがあります。
この問題は、単なる暗記物としてではなく、危険な環境下での施工には「気密性」が最優先されるという電気工事士としての安全思想を問うものです。防爆構造の器具と汎用器具の見た目の違いを意識しておくことは、施工現場でのミスを未然に防ぐ実務能力に直結します。