第一種電気工事士試験 / 2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問29
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2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問29 解説 ケーブル工事の不適切事例

使用電圧300V以下のケーブル工事による 低圧屋内配線において,不適切なものは。

  1. イ. 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルをガス管と接触しないように施設した。
  2. ロ. ビニル絶縁ビニルシースケーブル(丸形)を造営材の側面に沿って,支持点間を1.5mにして施設した。
  3. ハ. 乾燥した場所で長さ2mの金属製の防護管に収めたので,金属管のD種接地工事を省略した。
  4. ニ. 点検できない隠ぺい場所にビニルキャブタイヤケーブルを使用して施設した。 ✓ 正答

解説

この問題は、電気設備の技術基準における「ケーブルの種類に応じた使用場所の制限」を見抜く問題です。正解の選択肢ニがなぜ誤りなのか、その判断基準を整理します。

ケーブルの種類と隠ぺい場所での使用制限

ケーブル工事において、最も重要なのは「そのケーブルが隠ぺい場所で使用可能か」という点です。

ビニルキャブタイヤケーブル(VCTなど)は、柔軟性に優れており、移動する電気機器への電源供給には適していますが、損傷を受けやすいという弱点があります。そのため、法令では「点検できない隠ぺい場所」に施設することは原則として禁止されています。一方、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル)などの一般的なケーブルは、点検できない隠ぺい場所でも問題なく使用できます。

試験では「点検できるか・できないか」「隠ぺいか・露出か」という条件と、使用するケーブルの種類をセットで覚えるのが鉄則です。

選択肢を判断するための思考プロセス

選択肢イからニまでを、技術基準に基づき一つずつ検証します。

イ:架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル等)は、他物(この場合はガス管)と接触しないよう施設することが義務付けられています。したがって、この記述は適切です。

ロ:ケーブルを造営材に沿って施設する場合、支持点間の距離は2m以下とする必要があります。問題文では1.5mとされているため、規定の2m以下を満たしており適切です。

ハ:金属管の接地工事についてです。金属管の長さが4m以下の場合、または乾燥した場所で長さ8m以下の金属管に収める場合、D種接地工事を省略できます。問題文は「乾燥した場所で長さ2m」であるため、接地省略の条件を満たしており適切です。

ニ:これが誤りです。前述の通り、ビニルキャブタイヤケーブルは機械的強度が弱いため、点検できない隠ぺい場所に施設することは認められていません。もし点検できない場所に施設したい場合は、より堅牢なCVケーブルや、金属管に収めるなどの工事方法を選択する必要があります。

実務で求められる知識の構造

この問題が問うているのは、単なる暗記ではなく「場所と材料の適合性」です。

現場において、天井裏や壁内などの「点検できない隠ぺい場所」は、一度施工すると後のメンテナンスが非常に困難です。そのため、劣化が早かったり機械的損傷を受けやすかったりする材料を隠ぺいすることは、将来的な漏電や短絡事故のリスクを増大させます。

技術基準では、使用場所の環境(湿度、点検の可否、機械的衝撃の有無)に応じて、どの材料なら安全を維持できるかを規定しています。試験対策としては、特に「ビニルキャブタイヤケーブル=移動用・露出場所」「CVケーブル=固定・あらゆる場所(隠ぺいもOK)」という大枠のイメージを持つことが、他の類似問題を解く際にも役立ちます。

参考リンク

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