2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問41 解説 押しボタンスイッチ
①で示す部分の押しボタンスイッチの 図記号の組合せで,正しいものは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
押しボタンスイッチの図記号を判別するには、接点が最初から閉じているか(b接点)、開いているか(a接点)を確認します。Aは始動用なので通常は離れているa接点、Bは停止用なので通常は閉じているb接点を選べば正解にたどり着けます。
接点の基本動作と図記号の読み方
電気回路図における押しボタンスイッチの記号は、動作状態を視覚的に表現しています。
- a接点(メイク接点):普段は回路が切れており、ボタンを押すと閉じるタイプです。図記号では、接点同士が離れた状態で描かれます。これは始動回路のスタートボタンなどに使われます。
- b接点(ブレイク接点):普段は回路が閉じており、ボタンを押すと開くタイプです。図記号では、接点同士が接触している状態で描かれます。これは回路を強制的に遮断するためのストップボタンなどに使われます。
今回の問題では、AはY-Δ始動回路の始動(スタート)用であるため、押し込まない限り回路が導通しないa接点である必要があります。一方、Bは停止(ストップ)用であるため、押し込まない限り回路を導通させておく必要があり、b接点である必要があります。
回路図から読み解く選別プロセス
提示された選択肢を観察すると、各項目にはAとBの記号が並んでいます。
- Aの記号を見る:上の接点が離れているもの(a接点)を探すと、ハとニが候補に残ります。しかし、図全体を確認すると、イとロのAは回路を閉じる役割を持つ「押せば閉じる」形状をしています。ここで重要なのは、回路図上の「接続状態」です。
- Bの記号を見る:Bは停止用として回路に直列に入るため、回路を閉じておく必要があります。イのBを確認すると、接点が接触した状態(b接点)で描かれています。
- 結論:始動用Aがa接点、停止用Bがb接点となっているのはイの組み合わせです。
現場での押しボタンスイッチの役割
この問題は、単なる記号の暗記ではなく、シーケンス制御の基本原理を問うものです。Y-Δ始動回路は、大型の電動機を始動する際に過大な突入電流を防ぐために用いられる非常に重要な回路です。
現場では、停止ボタン(B)を誤ってa接点で結線してしまうと、ボタンを押しても電動機が停止せず、非常に危険です。逆に始動ボタン(A)をb接点で結線してしまうと、通電した瞬間に電動機が勝手に回り出してしまいます。
第一種電気工事士試験では、このような実務に直結する制御回路の知識が繰り返し問われます。シーケンス図は、記号の形だけでなく「ボタンを押した時に回路がどう変わるか」という動作のイメージをセットで覚えることが、合格への最短ルートです。