2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問40 解説 特定電気用品
電気用品安全法の適用を受けるもののうち, 特定電気用品でないものは。
- イ. 合成樹脂製のケーブル配線用スイッチボックス ✓ 正答
- ロ. タイムスイッチ(定格電圧125V,定格電流15A)
- ハ. 差込み接続器(定格電圧125V,定格電流15A)
- ニ. 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(導体の公称断面積が8mm2, 3心)
解説
この問題は、電気用品安全法(電安法)における電気用品の分類、「特定電気用品」と「特定電気用品以外の電気用品」の違いを理解しているかを問うものです。
正解を見分けるポイントは、対象の機器が「特に危険や障害を及ぼすリスクが高い(特定電気用品)」か、「それほどではない(特定電気用品以外の電気用品)」かの境界線を押さえておくことです。
電気用品安全法の分類とは
電気用品安全法は、電気製品が原因の火災や感電事故を防ぐための法律です。この法律では、電気用品を以下の二つに大別しています。
- 特定電気用品:構造や使用条件からみて特に危険や障害を生じるおそれが大きいもの。ひし形のPSEマークが表示されます。
- 特定電気用品以外の電気用品:特定電気用品以外のもの。丸いPSEマークが表示されます。
今回の選択肢の中では、配線器具やケーブル類が並んでいますが、これらは日常的に使用されるため、安全性に対する要求が非常に高い製品群です。
なぜ合成樹脂製のスイッチボックスが選ばれるのか
判断の拠り所となるのは、各機器が人体や建物に与える影響の大きさと、製造上の検査基準です。
特定電気用品(ひし形PSE)には、例えば電線、ヒューズ、配線用遮断器、あるいは一部のコンセントやスイッチが含まれます。これらは故障や不備があると、直ちに火災や重大な感電事故につながりやすいものです。
一方、合成樹脂製のスイッチボックスは、電線を保護し収納するための容器です。これ自体が電気を消費したり、スイッチ機構を持ったりするわけではありません。もちろん電気工事の施工において重要な部材ではありますが、製品単体として見た場合、過熱や漏電の直接的な要因となる可能性は他の機器に比べて低いため、特定電気用品からは除外されています。
他の選択肢であるタイムスイッチ、差込み接続器、ケーブル類は、電気の流れを制御したり、直接電気を供給したりする部品であり、故障が即座に事故につながる可能性が高いため、これらは特定電気用品として厳格な適合性検査が義務付けられています。
実務で役立つPSEマークの視点
この知識は、試験対策だけでなく、実際の電気工事の現場でも不可欠です。工事現場で部材を選定する際、梱包や製品本体に表示されているPSEマークを確認することは、その製品が法的に認められた品質基準を満たしているかを判断する第一歩だからです。
特に施工管理や設計に関わる場合、「この部材は特定電気用品だから、適合検査の記録が必要か」「丸いPSEか、ひし形のPSEか」といった確認作業は、竣工検査の質を担保する上で重要です。電気工事士試験では「どちらが厳しい分類か」を問う問題が頻出しますが、これは単なる暗記ではなく、安全に対する責任の重さを理解しているかを試すためのものです。